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セリア・ナボット:キアリ奇形、脊髄空洞症

Published by at 2009年4月14日


Celia_Nebot
手術日:2003年7月

カタルーニャ人・スペイン人

こんにちは、私の名前はセリア・ナボット(Celia Nebot)です。43歳で、バルセロナに住んでいます。脊髄空洞症アーノルド・キアリ奇形I型を患っています。

若い頃から腰痛と首の硬直があり、その時から病院と医者巡りが始まりました。診察ではレントゲンを撮るだけで、他の検査は受けさせてくれませんでした。診断は決まって、仕事が原因の拘縮でした。次の診察が9ヶ月後ということもありましたが、何年もの間、何か解決策があるのではないかと期待しながら毎日を過ごしていました。次の診察日が訪れ、またいつもと同じようにレントゲンの撮影だけ指示されました。

レントゲンを見た医師には、「何とコメントしたらいいのかわからない」と言われました。先生に再検査を受けられないか頼むと、またレントゲンを受けることになりました。結局異常は見つからず、これ以上検査を受けてもしょうがないと言われました。診察室を出て、私は怒りと無力感で涙があふれました。

時間が経つにつれて体調は悪くなっていき、ある日勤務中に首が動かせなくなるという、今まで経験したことがない症状が現れました。病気休職のための診断書をもらいにバルセロナの病院へ行き、サンチョ先生という医者に診てもらいました。私の顔を見るなり、減量すれば体調がよくなると言い、病院で付けてもらった頸椎カラーを外しても痛みが取れないようなら、ここではなくリューマチ科の先生のところに行くように言われました。

診察日になって、またそのサンチョ先生に診てもらわなければなりませんでした。先生によると、私の病気は線維筋痛症とうつ病から来ているとのことでした。何年もの月日が経ち、その度にめまいと頭痛、疲労感は悪化していきました。仕事もできず、徐々に家事もできなくなりました。ある日の朝目を覚まして起きようとすると、また首が動かせなくなりました。すぐにバルセロナの病院に向かい、やっと専門知識を持った内科の先生に診てもらえました。先生は私の話に熱心に耳を傾けてくれ、バルセロナ神経研究所のロヨ先生に一度診てもらったらと提案してくれました。

ロヨ先生の診察は素晴らしいものでした。今まで診てもらった先生の中でこんなにも質問を投げかけてくれた先生や、反射や感覚などの検査を丹念にしてくれた先生はいません。診察後、MRI検査と全脊柱X線検査、筋電図検査を受けるように言われました。指示された検査結果を持って先生のもとに行くと、ロヨ先生から今まで聞いたことのない病名、脊髄空洞症アーノルド・キアリ奇形を告げられました。診察中、ロヨ先生は病気の原因に関することや、病気の治療で行われている2つの手術について詳しく教えてくれました。例えばバルセロナの一般の病院で行われている手術(大後頭孔減圧術)は、長時間の手術でリスクの高い外傷性の手術であること、その手術を受けた患者さんは良くなるどころか、悪化していくこともあると言います。一方、ロヨ先生が行う手術(終糸切断手術)は短時間で終わる簡単な手術で、ほとんどリスクのない手術だそうです。手術を受けた患者さんの中には、術後に症状の回復を感じられたと言います。私は終糸切断手術を受ける21番目の患者になると言われましたが、先生を信頼していたので手術の選択はとても容易でした。

家に着くなり、インターネットで自分の病気について調べ始めました。病気の重大さに気づくと同時に、ロヨ先生の話を聞けたことで、すべてにつじつまが合うようになりました。終糸切断手術を受けた患者さんの体験談を読んで不明な点もなくなり、私の選択は間違ってなかったと思えました。それから5日後、私は手術室にいました。手術から数時間で、両手と左脚の痛覚が戻り、首の痛みもなくなりました。術後の回復は驚くべきものでした。以前は寝るのに枕を5つ使っていたのが、今はもう必要ありません。血圧も正常に戻り、温覚も回復したので、これからは熱い物を持つ時は注意しなければなりません。手術のおかげで100%人生が変わりました。仕事に復帰し、性格も明るくなって、家族との関係も改善されました。

この体験談を書くまで、かなりの時間を要しました。一つは文章を書くのに慣れていないこと、もう一つは人生を変えてくれたロヨ先生や研究所チームへの想いをきちんと込めて体験談を書きたかったからです。希少な病気なので患者同士が力を合わせて、私達の病気の研究に資金と労力を注いでくださっている先生をサポートすることが大切です。先生が今後も研究を続けてくだされば、きっと病気の治療に向けての道が開かれ、他の患者さんもその恩恵が受けられると思うのです。どうして一部の医療機関しか先生の存在を知らないのでしょうか。もしかするとロヨ先生の手術が広まってしまうと、誰かの利益に影響が出てしまうのかもしれません。

追伸:病気の回復をずっと待ちいつも支えてくれた夫のペラに、心から感謝の気持ちを伝えたいです。

セリア・ネボット-ヌゲラ

2009年4月14日 バルセロナ

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