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ヌンツィア・カバロ:キアリ奇形、脊髄牽引症候群

Published by at 2012年9月4日


Nunzia_Cavallo

手術日:20124

  イタリア人

みなさん、こんにちは。カルミネ・カバロとマリア・カバロといいます。5歳のヌンツィアと2歳のドメニコの2人の子どもを持つ若いカップルです。イタリアのブリンディジ県に住んでいます。

アーノルド・キアリ奇形I型と診断されたみなさんの役に立てればという思いと、私達の体験してきたことをみなさんにお伝えする義務があるのではないかという思いから、ここに詳しく書くことにしました。

私達の愛するヌンツィアは3歳の時から頭痛に苦しんでいて、小児科の先生には成長期に起こる一時的なものだろうと言われました。しかし、ヌンツィアの健康状態は著しく悪化していきました。左後頭部の激しい頭痛、疲労感、吃音症、平衡機能障害(よく転んでいました)、痙攣、何メートルか歩いただけですぐに疲れてしまったり、気を失ったりすることもありました。

今年の2月にヌンツィアはサン・ジョバンニ・ロトンド(San Giovanni Rotondo)病院のカザ・ソリエボ・デラ・ソフェレンツァ(Casa Sollievo della Sofferenza)という施設に入院し、そこで行ったMRI検査のおかげでキアリ奇形I型を患っていることがわかりました。この病気は非常に特殊で危険なため、脳梗塞を起こして死という最悪な結果を迎えることにもなりかねないと言われました。

イタリアでは減圧術という手術を用いてこの病気を治療しますが、非常に侵襲的な手術で、頭蓋骨を削る必要があり、手術後の長期的な効果の保証はなく、むしろ悪化していく一方だと聞きました。それを聞いたとき私達は目の前が真っ暗になり、本当に娘に減圧術を受けさせて大丈夫なのかと不安になりました。

そこでほかの専門家に診てもらおうと、ローマにあるジェメリ(Gemeli)という病院の神経科医を訪ねました。ヌンツィアのMRI検査を見せ、その先生にもキアリ奇形I型と診断されました。先生はとても明るく前向きに見えました。私達はヌンツィアの減圧術を行う予定で準備を進めていましたが、先生が会議出席のため10日間不在になるとのことだったので、先生の帰りを待たなければならなくなりました。

いったん自宅のある村に帰りジェメリ病院からの連絡を待っている間、インターネットを通じてバルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所のロヨ・サルバドール先生の行う終糸切断手術の存在を知りました。ホームページ上に紹介されているバルセロナで終糸切断手術を受けた人たちの体験談を読み、何人かの人とは連絡も取ったりしました。その人たち全員が口をそろえて、現在ある治療法の中で終糸切断手術が最も娘の病気に適した治療法だと教えてくれました。私達夫婦は感激し希望で胸がいっぱいになりました。

バルセロナキアリ研究所に連絡を取り、ジョイア・ルエ先生が丁寧に対応し手術の日程を組んでくれました。唯一乗り越えなければならなかった障害といえば、手術費用でした。その時、私達夫婦は娘に手術を受けさせられるだけの十分なお金は持っていませんでしたが、教会、隣人、友人、企業などが助けてくれたおかげで、手術費や旅費、滞在費などの準備ができました。

ヌンツィアは4月12日に終糸切断手術を受け、手術は成功しました。手術から数時間で刺激に対する反応に改善が見られ、それ以降気を失うことや激しい頭痛が起こることはなくなりました。

5月29日、身体検査のためバルセロナに戻ってきました。ロヨ・サルバドール先生には、手術によってアーノルド・キアリ奇形I型の進行を止めることに成功し、協調運動の明らかな回復も見られたと言ってくれました。それ以降ヌンツィアは一度も吃ることはなく、同い年の子どもと遊ぶのをとても楽しみにしています。

ロヨ・サルバドール先生の人間性や優しさに深い感謝の意を表します。また、私達を支えてくださったすべての人に対して感謝の気持ちでいっぱいです。残念ながらイタリアの健康保険は手術代をカバーしてはくれませんし、援助もしてはくれません。

これを読んでいるみなさんに伝えたいことがあります。それは、決して希望を捨てないでいただきたいということです。イタリアには「神は希望を持つ者に味方する」という古い言葉があります。連絡先を載せておきますので、いつでもご連絡ください。

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