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終糸システム(Filum System®)適用から10年後の脊髄空洞症および脊柱側弯症の経過

Published by at 2025年5月23日


症例番号: 18015

診断名: 小脳扁桃下垂(アーノルド・キアリ奇形)、脊髄空洞症、脊柱側弯症、終糸病、神経頭蓋脊柱症候群

終糸切断手術日: 2015年4月

患者番号18015のCさんの同意を得た上で、匿名化し症例を公表します。Cさんは2015年、当時7歳の時に終糸システムを適用して終糸切断手術を受けました。

終糸切断手術前の2015年3月25日に撮影されたMRI画像では、「終糸病、小脳扁桃下垂(キアリ奇形I型)を伴う神経頭蓋脊柱症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症」が確認され、全脊柱X線検査では「胸椎の右凸側弯、腰椎の左凸側弯、頸椎の生理的前弯の消失」が確認されました。

Cさんの診療記録には、術後1年検診の時点ですでに脊髄内の空洞の減少が確認されており、その後数年間でさらに空洞の減少が見られました。そして、術後10年検診の今年(2025年)、Cさんは当研究所を受診されました。


図1: CさんのMRI画像の比較(左:2015年3月25日/中央:2023年5月15日/右:2025年3月19日)

術前術後のMRI画像を比較すると、以下のことが確認できます。

・図1の術前(2015/3/25)に撮影された左のMRI画像において、上部の赤い矢印は第1頸髄の脊髄空洞症の始まりを示し、下部の赤い矢印は胸椎の脊柱側弯症を示しています。脊柱側弯症によって、脊髄の可視化が困難となっています。

・図1の中央の画像は術後8年目(2023/5/15)に撮影されたMRI画像で、空洞の減少、さらには胸椎の側弯症の消失が確認できます。

・図1の右の画像は術後10年目(2025/3/19)に撮影されたMRI画像で、脊髄内の空洞がさらに改善されており、形状はますます糸状に(細長く)なっている様子が確認できます。

術前術後の症状に関していうと、患者さんは術後1年目から症状の一部改善、症状によっては消失したものもあります。神経学的検査では、いくつかの徴候は術前と変わりないものの、一部の徴候には改善が見られました。

現在Cさんは17歳で、術後10年検診において、術前にあった症状の90%がなくなっていると報告されています。神経学的徴候においては、その多くが改善しており、そのほか脊髄内の空洞の著しい減少、および側弯症の消失も確認できました。

当研究所独自の治療計画「終糸システムFilum System®」の目的は、終糸病および関連疾患の進行や悪化を阻止することにあります。Cさんのケースにおいて小脳扁桃下垂の変化が見られない、つまり悪化してないことから手術の効果が認められます。

しかしながら、多くの症例において病気の進行を阻止できただけではなく、症状や徴候の改善・減少が認められています。また、患者さんの中には、Cさんの症例のようにMRI画像上で病変の可逆性が確認できることがあります。


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