最終更新日: 31/01/2019, ミゲル・ロヨ医師, 登録番号: 10389. 脳神経外科医、神経内科医
頭底角またはBoogaard角が開き、頭蓋底が平坦になる骨の異常のことを扁平頭蓋底と言います。正常角は115度から140度とされ、140度を超えた場合、扁平頭蓋底と診断されます。他の基準角度、例えばBull角(通常13度)などでも診断が可能です。多くの場合、扁平頭蓋底は頭蓋底陥入症を合併しますが、扁平頭蓋底のみの場合もあります。また、扁平頭蓋底はなく頭蓋底陥入症のみの場合もあります。
扁平頭蓋底のみでは無症状ですが、頭蓋底陥入症や例えばアーノルド・キアリI型症候群などを伴う場合には症状が見られます。
– 従来の見解
扁平頭蓋底の原因はまだ解明されていません。
– 当研究所の治療計画「終糸システム®」による見解
当研究所のロヨ脳神経外科医の見解によると、脊髄と脊柱内の中枢神経系との間に先天性の非同期の成長が起こり、扁平頭蓋底が起こっていると考えられています。終糸による仙部から頭蓋部にかけての異常な脊髄牽引が、頭蓋底の角度に異常をもたらし、扁平頭蓋底を引き起こします。
ロヨ医師の研究を基に発表された博士論文(1992)の結果、アーノルド・キアリI型症候群、脊髄空洞症、脊柱側弯症、扁平頭蓋底、頭蓋底陥入症、歯突起後屈、脳幹のよじれなどの原因不明と考えられていたものが、終糸病という脊髄と全神経に対する牽引から起こっていることが明らかになりました。
終糸病において、全神経系にかかる牽引はすべてのヒト胚で起こっており、程度の差はあっても影響を与えており、その程度や形は様々です。椎間板ヘルニア、脳小血管病、椎間関節症、バーストラップ病、線維筋痛症、慢性疲労、夜尿症、尿失禁、下半身の筋力低下などの原因も終糸病に付随しています。
終糸病の正確な診断、治療、術後の経過観察などを明確にするため、独自の治療計画「終糸システム®」を立案しました。
通常、扁平頭蓋底の診断には頭部のCT検査が行われます。脳部または頭部のMRI検査でも扁平頭蓋底の診断はできますが、一度診断名がついてからはCT検査を通して経過観察が行われます。
図1. CT検査上での扁平頭蓋底
図2. MRI検査上での扁平頭蓋底
扁平頭蓋底は先天性の奇形で、生まれつきのものです。
扁平頭蓋底自体が合併症をもたらす例は確認されていませんが、頭蓋底陥入症を合併した場合には、合併症を伴うことがあります。
扁平頭蓋底のみの診断では、通常治療は提示されませんが、扁平頭蓋底のほかに頭蓋頸椎移行部の奇形を合併している場合には、一般的に大変複雑で身体に負担のかかる外科治療が行われます。治療の合併症による罹患率と死亡率も高くなるほか、これにさらに病気自体の合併症が加わります。
例えば、扁平頭蓋底がアーノルド・キアリI型症候群を合併している場合は、大後頭孔減圧術が行われ、扁平頭蓋底のほかに頭蓋底陥入症が見られる場合は 歯突起切除術が行われます。
一方、当研究所のロヨ医師が発表した博士論文によって、扁平頭蓋底などの原因が、脊髄の末端にある終糸が全神経系を下に引っ張っているためだと明らかになったことで、1993年から外科治療によって終糸を切断し病気の原因を取り除く、終糸切断手術という新しい治療法が生み出されました。
扁平頭蓋底が、頭蓋底陥入症やアーノルド・キアリI型症候群などの脊髄牽引が原因となって起こっている病気を合併している場合、当研究所独自の治療計画「終糸システム®」に従って、終糸切断手術を受けることを提案しています。
終糸切断手術によって、終糸がもたらしていた脊髄全体への緊張状態を取り除き、脊柱の弯曲を助長していた圧力も取り除くことができます。
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