Published by ICSEB at 2009年9月1日
手術日:2009年9月
約7年前から窒息してしまうのではないかと思うくらい、喉がぎゅっと締め付けられるような感覚がありました。また、唾液が気管に入ってしまって咳き込むこともありました。3年ぐらい前から、一時的なものでしたが、咳のし過ぎで頭が爆発しそうなほど激しい痛みがありました。
2005年以降頭がくらくらし始めて、じっとしていられず、常に酔っぱらっているようでした。ストレスや疲労が原因だからそのうち消えるだろうと思い、病院には行きませんでした。
2007年以降、突然目に異変を感じたので複数の眼科医に診てもらいましたが、眼振であるとわかったのは2009年4月になってからです。その後、MRI検査を受けて神経眼科の先生に診てもらったところ、アーノルド・キアリ症候群の疑いがあると言われました。
症状:吃逆、咳、慢性伏鼻腔炎、両手の感覚障害としびれ、髪が抜ける、筋肉の減少、体重増加、ため息、少し動くだけで息苦しくなる、 排便障害、失声症、胸の痛み、集中力の欠如、ゆっくりと脚や手の感覚がなくなっていきました。
2009年9月1日、スイスのヴォー州にある大学病院(CHUV)でアーノルド・キアリI型症候群と脊髄空洞症の診断名が確定された後、すぐに手術をしなければならないと言われ、それは大後頭孔減圧術という体に大変負担のかかる危険な手術でした。
幸運にも私の友人が病気についてインターネットで調べてくれたおかげで、ロヨ先生のバルセロナキアリ研究所を見つけることができました。ロヨ先生は、世界中に治療を提供するため、アーノルド・キアリI型症候群と脊髄空洞症という病気の研究に生涯を捧げ、論文も発表しています。先生は、治療の第一選択として大後頭孔減圧術が行われることに反対しています。ロヨ先生の行う終糸切断手術は、87%という成功率をあげ、術後は大後頭孔減圧術よりも症状の回復が見込まれ、生活の質の向上にもつながっています。
先生の技術は終糸を切る外科治療です。終糸は脊髄と仙骨をつないでいる靭帯で、脊髄に緊張をもたらします。その緊張が度を超えると、脊髄と脳が牽引され、脊髄内の血行不良が起こります。神経組織および細胞の死につながり、嚢胞を形成、髄液の循環も乱れるようになります。終糸を切断することで、脊髄内の血行がよくなり、小脳の緊張状態も取り除くことができます。この手術で、病気の進行を100%止めることができ、突然死も防ぐことができるのです。
2009年9月1日、バルセロナキアリ研究所に問い合わせの電話をしました。2009年9月21日、研究所でロヨ先生と医療チーム、そして通訳のメリアムさんに迎えられ、丹念に診てもらった後診断名が確定し、次の日の22日に手術は行われました。
2009年9月22日、バルセロナのシマ病院に入院(個室でした)、手術は成功し、目を覚ましたのは昼頃でした。手術当日、ロヨ先生は病気の進行を100%止めることができたと言っていました。手術から24時間後、手全体に血が通い始め、以前のようにまた動かせるようになり、生まれ変わったような不思議な感覚を覚えました。23日、スイスのローザンヌまで車で帰ることができました。
手術から1週間後、咳、吃逆、嚥下障害の症状は和らぎました。すべての症状が消えたわけではありませんが、80%以上回復したと思います。手術から6ヶ月後、まだ眼振、ふらつき、平衡感覚の乱れ、疲労感、集中力の欠如などの症状は残っていました。ロヨ先生には、ある程度病状が良くなるのに数年はかかるから、根気よく待つように言われました。
終糸切断手術から6ヶ月後、(終糸切断手術の存在を知らない)CHUVで健康診断を受けましたが、そこで再度医師から大後頭孔減圧術を勧められました。
おかしかったのは、2009年8月の診察で「もし今大後頭孔減圧術を受けなければ、年末には車いす生活になるだろう」とCHUVの先生に言われたことです。それから8ヶ月以上経った今も、私は一人で歩けています。ですからアーノルド・キアリI型症候群や脊髄空洞症で苦しんでいるみなさん、ぜひロヨ先生や研究所チームにコンタクトを取ってみてください。手術までの流れをすべて教えてくれるはずです。
ロヨ先生には本当に色々とお世話になりました。いつの日か世界中の医師に先生の技術が認知されることを願っています。
また、バルセロナキアリ研究所チームのみなさんにも大変お世話になりました。みなさんの温かいサポートやアドバイスに心から感謝しています。
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