Published by ICSEB at 2015年5月20日
手術日:2013年11月
みなさん、こんにちは。私の名前はエマヌエーレです。現在35歳で、イタリアのトリノに住んでいます。
何からお話すればいいでしょうか…。私は子供の頃から肉体的にも感情的にも起伏の激しい人生を送っていました。次々に新しい症状が出てくるので、家族には「ウイルス」と呼ばれていました。幸運にも、体格がしっかりしていたので、ここ数年間で生じたハンディキャップを乗り越えることができました。
人生はうまくいっていたように見えました。配管工として20年間働き、かねてからの夢だった起業を7年前に実現、定期的に武道を習い、愛すべきパートナーと一緒に暮らし、誰からも羨ましがられる人生を送っていました。ところが2013年5月の金曜日、いつもと同じように仕事をしていたところ、腰が激しく痛み、その時はただの筋肉の張りだろうと思いあまり気にしていませんでした。土曜日になり、武道のクラスに行って家に帰ると、腰部痛だけではなく頭痛と頸部痛もありました。この痛みは終糸切断手術を受けるまで、24時間ずっと続きました
仕事と武道を続けたかったので、腰部の痛みを診てもらうため、かかりつけの先生のところに行きました。先生には腰仙部のMRIを受けるように言われ、その検査結果から6月に椎間板ヘルニアと診断されました。その後、激しい頭痛と頸部痛が続いたので、病院でまた診てもらうようにパートナーに説得され、なんとか頭部と全脊柱のMRIを撮れることになりました。脳部のMRI検査は、なかなか医師の同意が得られなくて大変でした。
2013年7月12日、アーノルド・キアリ奇形I型(18mmの小脳扁桃下垂)、複数の椎間板症、髄液循環障害、それから2か所の虚血性病変と診断され、怖くなりました。この聞き慣れない病気は何なのか、インターネットの医療関係のサイトなどで情報を集め始めましたが、病気の説明を読んでもよくわかりませんでした。とにかく、ネット上で読んだことは一つも安心できるような内容ではありませんでした。
病状が悪化する中、公立の病院では診察日までかなり待たなければならなかったので、お金を払って私立の病院で診てもらうことにしました。その時すでに生活に支障が出るような症状がたくさんありました。
この体験談では、イタリアの医療制度に関することはお話しません。また、アーノルド・キアリ奇形について無知にもかかわらず特に調べることもなく、いい加減な治療法や手術を提案した医師についても省略します。先生は大後頭孔減圧術は日常的に行われているリスクのない手術だと言い、多くの場合、深刻な事態にはならないとしても、悪影響しかもたらしません。アーノルド・キアリ奇形が大したことない病気だと言う先生の話は信じないでください(実際、複雑な病気です)。他の職業と同じように、医者の中にも病気のことをよく知らない先生がいます。ですから、何があってもトンネルの中で立ち止まってはいけません。最後の光が見えるまで進むのです。そこにはきっとあなたを暖かく迎えてくれる人が待っているはずです(実際、私がそうでした)。ただしっかりと自分の意志を持っていてればいいのです。
幸運にも、バルセロナキアリ研究所と(終糸切断手術を受けた)リタさんとアンジェロさん夫妻の存在を見つけ、掲示板にコメントを残すと、アンジェロさんから返事が来て、リタさんの連絡先を教えてもらいました。そして、リタさんからこれまでの病気との葛藤や終糸切断手術後の病状などを教えてもらい、リタさんのサポートのおかげでバルセロナでの手術を真剣に考えるようになりました。手術費用に関しては、大切な人達のサポートがあってなんとか準備することができました。
何とお礼を言ったらいいのでしょうか…バルセロナキアリ研究所のジョイアさんやメンデス先生、フィアヨス先生たちの素晴らしい人柄、思いやりに感謝しています。それから、ロヨ先生のおかげでもう二度と取り戻せないだろうと思っていた人生が戻ってきて、また希望を持って生きることができています。
愛すべきパートナーのホセ、リタさんとアンジェロさん夫妻、フランチェスカさんにも大変お世話になりました。彼らがいなければ、ここまで辿り着くことはできませんでしたが、よく「人生は私達に必要な人を引き寄せてくれる」と言いますから、私達はただ前を向いて、その人が誰なのか見極めればいいのです。
現在私は、同じ病気で苦しんでいる人をサポートするために、友の会のアイザックシスコ(AI.SAC.SI.SCO. Onlus)のメンバーになり、私の住む地域の代表として患者さんのサポートを行っています。偉大な医師であり科学者であり研究者でもあるロヨ先生のおかげで、私達患者は第二の人生を送ることができています。
最後になりましたが、この体験談を読んでいるみなさん、どうか病気に負けないでください。病気は死ぬまで一生付き合っていかなければなりませんが、よく言うように、重要なのは“その人が「何」を抱えているかではなく、その人の抱える違いを「どう」生かしていくか”です。
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