最終更新日: 12/05/2025, ミゲル・ロヨ医師, 登録番号: 10389. 脳神経外科医、神経内科医
エーラス・ダンロス症候群は、関節の過可動性、皮膚の過伸展、血管などの各種組織の脆弱性を特徴とする遺伝性疾患で、この病気には古典型、関節(過可動)型、皮膚脆弱型、筋拘縮型、血管型、多発関節弛緩型、心臓弁型、歯周型、脊椎異形成型、脆弱角膜症候群、類古典型、後側彎型、ミオパチー型など、さまざまな病型があります。
病型に応じて、さまざまな症状が見られます。
通常、エーラス・ダンロス症候群では、コラーゲンの生成に影響を与える遺伝子変異があり、一部の病型ではコラーゲンと相互作用する他のタンパク質に影響を与えます。これにより結合組織の脆弱性が見られ、臓器や組織にどのように影響を与えるかによって、何らかの病型のエーラス・ダンロス症候群を引き起こします。
終糸システム®によると、エーラス・ダンロス症候群における脊椎疾患は神経頭蓋脊柱症候群によって起こっている可能性があり、これは脊柱構成要素の弛緩による脊柱の伸張の結果、中枢神経系、特に脊髄が引っ張られているからです。
遺伝性疾患であるため、一般的に診断は患者の既往歴と家族歴に基づいて行われ、その後、症状に基づいてどの病型に属するのかが決定されます。
診断の第二段階では、遺伝子検査によって評価が行われ、これは決定的なものではありませんが、エーラス・ダンロス症候群の病型の疑いがある場合、徹底的に調べることができます。
エーラス・ダンロス症候群を伴う神経頭蓋脊柱症候群は、終糸システム®に従って、症状と頭部MRI検査、脊椎MRI検査および全脊柱X線検査を通して診断されます。
エーラス・ダンロス症候群は、家族歴が危険因子となる場合があります。
一般的に、エーラス・ダンロス症候群患者の余命は正常ですが、特定のタイプでは、重篤な合併症を発生する可能性があり、関節脱臼や初期の関節炎も発生する可能性があります。
脆弱な皮膚は傷口が残りやすく、また、縫合糸は脆弱な組織を引き裂く傾向があるため、手術創の閉鎖が困難になる場合があります。
血管型エーラス・ダンロス症候群患者は、重要な血管の破裂のリスクが高く、致命的な合併症を生じる恐れがあります。
子宮や腸管などの臓器が破裂する可能性があり、妊娠は子宮破裂のリスクが高まり、母体組織の脆弱性により、会陰切開や帝王切開で問題が生じることがあります。また、妊娠中および出産後の出血の可能性もあります。
深部組織が脆弱なため、手術合併症が起こりやすく、軽度の滑膜炎、捻挫、脱臼もよく見られます。重篤となる可能性がある他の合併症には、動静脈瘻、内臓破裂、気胸、または血気胸などがあります。
-当研究所の治療計画「終糸システム®」による見解
エーラス・ダンロス症候群における神経頭蓋脊柱症候群は、脊髄を含む中枢神経系が引っ張られ、脊柱が伸長していることで、起こっています(図1)。
近年の組織学研究では、逆説的ではありますが、エーラス・ダンロス症候群患者の終糸が通常よりも硬く、非弾性であることが観察されています(Klinge 2022)。終糸システム®の基準によると、エーラス・ダンロス症候群患者の終糸は脊柱の伸長によって生じる牽引力の影響を受け、エーラス・ダンロス症候群によって弾性が増加しても、その弾性を失う可能性があるとしています(図2)。
現在の憂慮すべき基準によれば、エーラス・ダンロス症候群患者は、頭頸部および/または頸部の不安定さと過可動性から生じる頸髄症状や脊髄係留症候群、潜在性脊髄係留症候群などの脊髄神経系の合併症を引き起こす可能性があるといわれていますが、参考文献を精査すると、それらを正当化する重要な事例がないことが確認できました。
一方、当研究所では、神経頭蓋脊柱症候群と終糸病を併発するエーラス・ダンロス症候群例が複数確認されています。
このような理由から、このテーマに関する当研究所の研究に基づき、エーラス・ダンロス症候群において、他の著者が考えている頭頸部および/または環軸椎の不安定さから生じている症状は、おそらく神経頭蓋脊柱症候群から起こっていると考えられます。
エーラス・ダンロス症候群において、現在結合組織を矯正するための有効な治療法が知られていないため、通常は以下の保存療法と対症療法が適用されます。
– 痛みの治療、血圧のコントロール、筋肉を強化し関節を安定させるための理学療法。
– 反復性脱臼によって損傷した関節の修復および血管と臓器の損傷部分を修復する手術。
関節の亜脱臼の場合には、次のような外科的治療も行われます。
-保存療法が効かない場合は、関節の安定化と特定の神経開放処置によって症状の軽減を期待できます。
-現在の臨床現場では、頸椎脱臼の主な原因がエーラス・ダンロス症候群であり、その結果、神経学的および致命的リスクが生じると考えられているため、骨接合術による脊椎の関節固定のための外科的治療が必要とされていますが、参考文献を調べても、これらの治療の実施に対する正当な理由は見つかりません。
エーラス・ダンロス症候群に対する当研究所の治療計画「終糸システム®」による見解
エーラス・ダンロス症候群患者において複数の頭蓋骨・脊柱または神経症状が観察されたことを受けて、エーラス・ダンロス症候群患者には、頭頸部の不安定さを明らかにする検査と並行して、異常な牽引力を証明する症状および検査画像上の特徴を調べることが推奨されます。
エーラス・ダンロス症候群と神経頭蓋脊柱症候群の関連性が確認できたら、終糸システム®に従って終糸切断手術の適用を行うかどうか評価する必要があります。
エーラス・ダンロス症候群患者における終糸切断手術の効果は、神経頭蓋脊柱症候群患者が得られる効果と変わりありません
終糸システム®による適切な診察と治療法を用いることで、他の原因による終糸病や神経頭蓋脊柱症候群で得られる同等の効果が期待できます。
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