Published by ICSEB at 2020年7月3日
私たち家族に起こったこと
こんにちは。ポーランド人のヨアナ・ホフマンと言います。家族と一緒にポーランドに住んでいます。何年もの間病気の原因がわからずに苦しんでいる方の助けになればと思い、私達家族3人が患った病気と当時の状況についてお話ししたいと思います。私達家族が与えられた人生は精神的に耐えがたいもので、信じられないかもしれませんが、残念ながら本当に起こりました。
私はすでに幼少期から症状がありましたが、痛みや頻度もそれほどひどくはなく、まさかアーノルド・キアリI型症候群(キアリ奇形)のような重度の神経疾患だとは誰も考えていなかったと思います。症状が悪化したのは、ちょうど長男のノルベルトの勉強のサポートをするために自分の夢や仕事を諦めた時でした。
当時は体調不良の原因を突き止めようと、何年もかけてやっと頻脈と過敏性腸症候群という2つの診断名を受けました。長年、情緒不安定(抑うつ状態から自傷行為までに及ぶ)だったため心理療法を受けていて、徐々に人と接するのも難しくなっていき、最終的に専門家から精神疾患は見られないと言われましたが、私自身何かがうまく機能していないと感じ、心理療法を続け自分なりに試行錯誤しながら生きてきました。
頭痛、吐き気、嘔吐、協調運動問題、下肢痙縮、手足のしびれ、関節痛、脚の痙攣などがあり、神経内科で診てもらうことにしました。私は登山が好きで、最近になって子供たちも一緒に山登りをするようになったので、私が神経疾患を患っていないことを確かめる必要がありました。2年以上、私の病歴と症状、精密検査に基づいて、乗り物酔い(加速度病)、手根管症候群、リウマチ、ライム病、レイノー症候群、メニエール病、動脈硬化、多発性硬化症、癌などの神経疾患ではないことがわかりました。検査からは特に異常は見つかりませんでしたが、症状は悪化していきました。この病気ではないかと毎回言われる度に、ひどいストレスと不安感を抱きました。
やっと脳部MRI検査(最後に残っていた検査)を受けることになり、検査結果を待っている間、もしかして自分が勝手に病気だと思い込んでいるだけ(心気症)なのではないかと疑ったりもしましたが、症状があるのは明らかで、手足の感覚障害や、体に力が入らなくなり、簡単な日常の動きでさえも難しく、全身の痛みもあり、手から物がよく落ち、ふらつくようになり、バランスを崩してよく転倒していました。物が二重に見えるようになって、他の視覚異常も見られました。
MRIの検査結果を持って神経内科のツェリーナ・カウツォル先生の診察を受けました(カウツォル先生には大変お世話になりました)。先生からアーノルド・キアリ症候群(キアリ奇形)との診断を受けました。やっと病名がわかりとても嬉しくて、これから薬局に行って薬を買って飲めば治ると思いました。しかし、先生からこの病気は奇病、不治の病で、薬で治る病気ではないと言われ、進行を遅くするために大後頭孔減圧術(大後頭孔拡大術)という手術が行われていると聞きました。ポーランドで有名な脳神経外科医の診察を受けましたが、減圧術の実施は、手術のリスクや合併症(麻痺や死亡)があまりにも高いので、私の場合は待ったほうがいいと言われました。先生には、抗うつ剤を服用し、今後障害が出てくる可能性や早死にする可能性も受け入れなければならないと言われました。その後、インターネットでキアリ奇形の治療法を探していると、“終糸システム”というスペインのバルセロナキアリ研究所の新しい治療法に関する情報がポーランド語で見つかりました。そこで、この研究所に今一度検査結果を見てもらい、私がキアリ奇形ではないことを確かめてもらおうと思いました。しかし、やはり私がキアリ奇形を患っていることが確定され、終糸切断手術が適用可能で、手術によって病気の進行を止めることができると言われました。
ポーランドのCaritas Diecezji Bielsko-Żywieckiejという財団が協力してくれることになり、友人の軍隊が寄付を募り、私の治療渡航費用がカバーできる額の寄付が集まりました。ただ、残念ながら手術が行われる前に病状が悪化してしまい、集中力や記憶力の欠如、視覚異常、聴覚異常、発話困難などの知的障害が現れ、まさに長男のノルベルトが幼少期から患っていた症状と同じものでした。ノルベルトは脚の痙攣、背中の痛み、頭痛が頻繁に起こるようになったと話し、2回ほど気を失ったと言っていましたが、私たち夫婦はノルベルトの健康問題は知的障害から来ていると思っていたので、なんとか色んな方法を使って脳に刺激を与えて発達を促そうとしていました。そして、私と同じ病気を患っているのではないかと疑い、長男に脳部含め全身のMRI検査を受けさせることにし、悲しいことにノルベルトもキアリ奇形を患っていることがわかりました。財団からは、私の病状が芳しくないこと、手術によって体調がよくなれば、今後はもっとノルベルトのサポートができると説得され、私が最初に手術を受けることにしました。2017年11月27日、終糸システム適用での低侵襲治療、終糸切断手術を受け、手術直後に症状の改善を感じました。
日々症状の改善を感じたので、今度は長男のノルベルトのために資金調達を始めることにしました。同時期に次男のカロルにもMRI検査を受けさせたところ、次男もキアリ奇形と脊髄空洞症を患っていることがわかりました。 カロルも幼少期から症状はありましたが、当時まさかそれがキアリ奇形や脊髄空洞症から来ているとは思いもせず、当時医師にも相談しましたが心配するほどのことではないと言われました。症状によっては改善したり悪化したりと変化がありましたが、今だからこそその原因がわかります。
たくさんの人のサポートや寄付を受け、バルセロナキアリ研究所の配慮で不可能だと思っていた2019年2月12日に長男と次男そろって終糸切断手術を受けさせることができました。子供たちのためにこのような素晴らしいプロの先生に手術をしてもらえて、母として人生最良の決断をしたと思っています。
バルセロナキアリ研究所の先生には大変お世話になりました。まず、科学に人生を捧げ、終糸病(21世紀の病)を発見してくださったロヨ先生。先生のおかげで私たち家族は健康に生きることができています。そして私達三人の手術を担当してくださったサルカ先生。先生には、私の大好きな登山をまたしてもいいと言ってもらえてすごく嬉しかったです。また、ポーランド語担当のニナさんの笑顔、理解、手厚い対応にこの場をお借りして御礼申し上げます。人生と健康に希望を与えてくださったバルセロナキアリ研究所の全てのスタッフの皆さんに、心から感謝いたします。
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