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ニュース・お知らせ


2024年12月20日

2024 年 11 月 12 日から 15 日まで、シンガポールで開催されたバイオメディカルエンジニアリングとバイオテクノロジーに関する国際会議にて、当研究所のロヨ所長は「線維筋痛症の背後にある終糸病:予備研究 (Filum Disease Behind Fibromyalgia: A preliminary Study)」のポスターを発表しました。 当研究所の脳神経外科チームは、長年にわたって終糸病/神経頭蓋脊柱症候群と線維筋痛症において多くの症状が共通していることや、線維筋痛症患者の多くが終糸病/神経頭蓋脊柱症候群と診断されていることなどを観察してきました。 終糸システム®による低侵襲治療の終糸切断術手術を受けた患者 25 名を対象に行った研究では、術前、術後1ヶ月、および術後1年の患者の病態の比較に焦点に当てており、研究の結果、特に頭痛、頸痛、平衡障害、手足の痛み、不眠、腰痛、視覚、記憶力、注意力の異常、疲労感、温覚と痛覚の異常、吐き気と嘔吐、括約筋力の異常、胸部痛と背部痛、耳鳴り、感覚異常、眼振などといった徴候や症状に対する有病率が高く、終糸病/神経頭蓋脊柱症候群と線維筋痛症ともに同様の割合で存在します。 これは、脊髄に対する終糸病の病理的な牽引によるものである可能性を示唆しており、これによって灌流(Purtzer, 1985; Tanani et al., 1987)と脳代謝に重大な障害を引き起こし、侵害受容(痛覚)を大幅に変化させ、中枢性感作症候群(線維筋痛症はその一つ)で生じる脊椎過敏症の現象を引き起こす可能性があるとしています。 研究から導き出される結論は、「終糸病と線維筋痛症はおそらく密接に関連しており、症状や徴候、放射線学的視点でも高確率で共通点が見られ、上記疾患は終糸システム®による終糸切断手術後に顕著な改善を示している」と報告されています。 ロヨ医師率いる研究チームによる発見がこの論文にて再確認され、線維筋痛症患者の複数例で終糸病と診断される可能性があることから、線維筋痛症を患っている患者さんには、線維筋痛症の神経学画像における目に見える変化として脊髄の異常牽引を確認するため、脳部と脊柱のMRI検査を受けるとともに、当研究所での受診をご提案しております。 線維筋痛症とその治療に関する詳細は、以下のリンクからご覧いただけます。 https://institutchiaribcn.com/jp/線維筋痛症/ イベントの詳細についてはこちらからご確認いただけます。 https://institutchiaribcn.com/jp/第13回バイオメディカルエンジニアリングとバイオ/

2024年11月22日

当研究所の研究開発(R&D)部門およびマーケティング部門の提携のもと、キアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金から、『患者のための入門書:キアリ奇形・脊髄空洞症・脊柱側弯症および関連疾患 終糸病と神経頭蓋脊柱症候群の診断と最新治療法』が出版されました。 当入門書は、ロヨ医師の過去50年に渡る研究と業績に基づいており、特に患者さんやそのご家族などを対象に書かれています。終糸病、神経頭蓋脊柱症候群、および関連疾患のメカニズムを理解したい方のために、当研究所の治療法や診療経験、病気の理論、そして治療適用後に期待されることなどを読者に共有することが目的です。 初版はスペイン語で書かれており、現在キアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金への寄付として本の購入ができますが、まもなくオンラインでも入手可能になり、単行本および電子書籍をオンライン注文することができます。 この本を通して、ロヨ医師率いる医療チームによってMRI検査から終糸病との診断が下り、外科的治療、リハビリテーション、術後のフォローアップ、そして患者さんの生活の質を改善する経緯に至るまで、当研究所独自の治療計画「終糸システム®」に従った専門的アプローチを紹介しています。また、過緊張にある終糸によって引き起こされた中枢神経系の異常な牽引が、それぞれの病気において力学的にどう作用しているのかも理解することができます。 この入門書によって、当研究所チームの発見・研究、および病気の知識と理解を促し、当研究所で行っている治療に対する疑問を少しでも明らかにできたらと思っております。 デジタル版での出版準備および英語版の出版準備ができましたら、SNSを通してお知らせしますので、ぜひ当研究所のFacebookとInstagramのアカウントへのフォローをお願いします。最新情報をお届けいたします。  https://www.facebook.com/profile.php?id=100006632984735    https://www.instagram.com/institutchiaribarcelona/ キアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金によって出版された書籍については、こちらをご覧ください。https://chiarifoundationbcn.com/en/bibliography-chiari-foundation/ 書籍を通して、患者さんやご家族の方に役立つ情報をお届けできることを、当研究所チーム一同、心から願っております。

2024年11月15日

  ロヨ・サルバドール医師著の『終糸システム®入門』が、さらにドイツ語版、日本語版、韓国語版の3か国語が加わり、出版されました。 現在までに出版されたスペイン語、フランス語、イタリア語、ポーランド語、ロシア語、英語、ポルトガル語、中国語を合わせると、合計11か国語での出版となります。 『終糸システム®入門』は、2014年12月1日に開催されたイベントで初めて著者によって発表されたもので、医療従事者ではない一般の人向けに書かれています。 ロヨ医師は、患者さんとそのご家族、友の会、そして医療従事者以外の人が、終糸牽引や終糸病・神経頭蓋脊柱症候群とは何か、また終糸システム®とその成果に対する理解を深められるよう『終糸システム®入門』の執筆を考案しました。 現在までに、当研究所で治療を受けられた患者さんには贈り物として『終糸システム®入門』を差し上げてきたほか、『終糸システム®入門』を出版しているキアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金への寄付として、本の購入をされた方もいらっしゃいます。病気に対する理解と当研究所の治療法に関する情報を、『終糸システム®入門』を通してより多くの人に広めることができたのではないかと考えております。 ドイツ語版、日本語版、韓国語版の追加によって、世界でますます多くの方が『終糸システム®入門』を手に取っていただけることを嬉しく思っております。また、近々デジタル版での出版も考えておりますので、さらなる病気への理解と普及に取り組んで参ります。 現時点で印刷版の購入をご希望の方は、こちらのリンク(https://chiarifoundationbcn.com/bibliografia-chiari-fundacion/)から、ご希望の言語をご記入の上、電子メール([email protected].)にてお問い合わせください。 『終糸システム®入門』を通して、患者さんやご家族の方に役立つ情報をお届けできることを、当研究所チーム一同切に願っております。

2024年9月28日

9月はアーノルド・キアリI型症候群の啓発月間で、病気への理解を深めることを目的に28日が記念日となりました。 今年、パリで開催されたパラリンピック競技大会が9月8日に閉幕したばかりですが、この世界的スポーツイベント中に、アーノルド・キアリI型症候群を患った国際アスリートの活躍を拝見し、当研究所チーム一同その姿に感銘を受けました。 2024年、パラリンピック選手によって、神経系全体の過緊張を引き起こす終糸病という胎生期から発生する病気によって小脳扁桃の下垂が起こり、頭痛、感覚異常、不安定さ、脊椎全体の慢性的な痛み、運動失調などの症状を伴うキアリ奇形という病気を、より多くの人に知ってもらう機会になったのではないでしょうか。  “パラリンピックの父”と呼ばれるルートヴィヒ・グットマン医師(1948年以降、戦争で障害を負った軍人たちを対象にストーク・マンデビル競技大会を始め、1960年の大会がのちの第一回パラリンピックとなる)は、次のように述べています。 「それまでの間、これらの男性、女性、そして子供達にとって問題だったのは、将来への希望が持てないことでした。なぜなら、我々医師は、彼らの命を救うだけではなく、彼らの尊厳を取り戻し、幸せで尊重される国民にすべきだからです。」 当研究所では、治療を受けられた患者さんに対しても同じように考えており、病気の恐怖に直面し、希望を失った患者さんに尊厳のある生活を取り戻し、もう一度希望を持って生きてほしいと考えております。 アーノルド・キアリI型症候群の治療で当研究所独自の治療計画「終糸システム®」を適用することで、終糸病の原因である過緊張状態の終糸を切断して小脳扁桃下垂の原因を排除することができます。そして、その結果、患者さんの生活の質の向上が期待できます。 9月28日は、パラリンピックに出場した全選手に対してはもちろんのこと、特にフランス、ブラジル、スペイン代表選手であるディミトリー・ジョズウィキ(Dimitri Jozwicki)選手、マリアナ・リベイロ(Mariana Ribeiro)選手、アンドレア・ミゲレス(Andrea Miguélez)選手の活躍に対して、心よりお祝い申し上げます。アーノルド・キアリI型症候群がどういうものなのか、情熱、忍耐を持って病気と闘う術を、選手たちを通して学ぶことができます。 選手の皆さん、ありがとうございます!

2024年9月20日

当研究所の「終糸システム®」は、当研究所の創設者であるロヨ・サルバドール医師の博士論文の学術的発見に基づいて構成された独自の治療計画で、アーノルド・キアリ症候群I型、0型、および1,5型、脊髄空洞症、脊柱側弯症などの原因である「終糸病」の治療に適用されます。 当研究所独自の研究によって生まれた低侵襲治療の終糸切断手術は、手術手技の改善および局所麻酔適用により、従来の終糸切断手術と比べリスクを軽減することができます。 当研究所の脳神経外科チームによって終糸病と診断され、手術の提案を受けた患者さんの多くから「なぜ他の医師からは年に一度の経過観察のみで、手術を提案されないのか」と質問を受けることがあります。そのご質問への答えは、病気の原因、原因を取り除くために必要とされる治療法、手術で適用される術式、手術の目的などによって異なってきます。 外科治療のリスクとメリットの関係を評価する際に影響する要因として、患者側の治療に向けての準備、手術前の入院、抗菌薬予防投与、手術の汚染程度、手術の時間および侵襲の度合い、患者さんの健康状態が挙げられ、それに加えて、麻酔とその種類(全身麻酔、鎮静剤を伴う局所麻酔、または両方の組み合わせ)なども考慮されます。 提案された治療法が複雑かつ侵襲の高い手術である場合(アーノルド・キアリI型症候群の場合は大後頭孔減圧術、脊髄空洞症の場合は空洞短絡術)、通常、手術は症状が見られる患者さんのみに適用されます。なぜなら、手術を行うことで、病気自体がもたらす後遺症や死亡率よりも高いリスクをもたらす可能性があるからです (参照: https://shorturl.at/TCYkx)。一方で、患者さんの生活に支障をきたす症状が見られない場合は、手術なしの経過観察および画像検査が提案されます。 終糸病の治療として終糸システム®適用で終糸切断手術が適用された場合、そのリスクは他の手術と同様に手術創の感染や哆開といった合併症がほとんどないもので、後遺症、死亡率、神経障害もありません。したがって、当研究所の脳神経外科医によって終糸病と診断された患者さんの多くに終糸切断手術の早期治療が提案される理由は、容易に理解することができるでしょう。 当研究所の治療は、病気の原因を取り除き、病気の進行を止め、神経系の可逆的損傷の回復を促し、これ以上の可逆的損傷を防ぎ、また、その可逆的損傷が不可逆的損傷になるのを防ぐことで、患者さんの生活の質を向上させます。 終糸切断手術は、リスクよりもメリットの方が大きいため、年齢や外傷、病気自体の自然的な進行によって起こり得る症状の悪化を防ぐために、ほぼ無症状の患者さんや生活に支障が出ていない患者さんの場合でも早期治療が推奨されます。 終糸システム®適用で治療が受けられるか、当研究所の専門医にオンライン医療相談を通して、セカンドオピニオンを受けてみてはいかがでしょうか。患者さんの生活の質を向上させることができます。

2024年2月29日

希少疾患は「希少」という名前にもかかわらず、世界中で驚くほど多くの人が希少疾患にかかっています。「希少」と呼ばれる理由として、その病気の原因が不明であることが挙げられます。 医学では、希少疾患の多くは遺伝的要素を持つと考えられており、たとえ症状が後になって現れたとしても、妊娠時または出産時にすでに発生していると考えられています。希少疾患によっては遺伝的要因と環境的要因の組み合わせによって発生する疾患もあります。診断の遅れによって不適的な治療が行われ、更なる合併症の発生の可能性があるため、早期診断が非常に重要になってきますが、その希少性により、病気に関する知識が乏しく、十分な研究も行われていないため、正しい診断と治療が見つかるまでに長い時間を要することがあります。 アーノルド・キアリ0型/I型症候群(キアリ奇形)、特発性脊髄空洞症は、当研究所で専門的に研究と治療が行われている疾患ですが、これらの疾患は出生時またはその後に現れる可能性があり、時にはある外傷によって全ての症状が引き起こされるため、正しい診断、治療法に辿り着くまでに時間がかかり、その間に症状の悪化を引き起こすことがあります。 当研究所の創設者であるロヨ・サルバドール医師の研究により、キアリ奇形、脊髄空洞症を含む終糸病が先天性の要因で起こっていることがわかり、これは胎児の発育の段階で起こり、家族の中で複数の人がこの病気を患う可能性があります。 今年、2024年の世界希少・難治性疾患の日に際し、当研究所ではキアリ奇形および脊髄空洞症を含む終糸病/神経頭蓋脊柱症候群に関する研究を促進し、終糸による牽引がどのように神経系に影響を与え病気を引き起こすのかを広め、終糸病患者に対する早期診断と早期治療が行われるよう取り組んでいきます。 キアリ奇形、脊髄空洞症が「希少」疾患ではなくなる未来のため、そして患者さんの生活の質の向上を目指すために、キアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金(https://chiarifoundationbcn.com/en/donation-chiari-foundation/)への寄付を通して、更なる病気への研究にご支援ください。

2023年12月22日

当研究所のロヨ・サルバドール所長を中心とする医療チームが執筆した、神経頭蓋脊柱症候群と尾骨前方脱臼の関連性に関する最新論文「尾骨脱臼に関連する神経頭蓋脊柱症候群:予備的研究」が、脳神経外科雑誌『World Neurosurgery:X』に掲載されました。  「神経頭蓋脊柱症候群は、いくつかの特発性疾患(アーノルド・キアリ症候群0,1型および1,5型、脊柱側弯症、脊髄空洞症)を含みますが、これは終糸と呼ばれる線維組織によって神経軸に異常な牽引が生じることで引き起こされる」とし、終糸が尾骨レベルに達する組織であることを考慮した上で、神経頭蓋脊柱症候群という診断を受けた多くの症例で「尾骨の前方脱臼といった解剖学的変異によって、終糸が引き起こした中枢神経系全体にかかる牽引をさらに悪化させる可能性」を、ロヨ医師率いる神経外科医チームは長年観察してきました。   論文では、「神経頭蓋脊柱症候群患者における尾骨脱臼の有病率の高さが、それらの間に関連性があることを示唆している」と結論づけ、「尾骨前方脱臼を引き起こすメカニズムは、神経頭蓋脊柱症候群の発症に直接影響を与える可能性がある」と述べています。 通常、尾骨脱臼の場合、ほとんどの外傷および整形外科で提示される治療は、保存療法(尾骨に体重をかけない、座ることを避けるまたは減らす、座る際の負荷を軽減するクッションや器具の使用などの推奨)ですが、残念ながら神経頭蓋脊柱症候群である可能性が考慮されないために神経頭蓋脊柱症候群の診断は下りず、患者さんの満足いく解決策は提示されずに、患者さんの生活の質に悪影響を与える可能性が出てきます。 当研究所では、これらの症例の長年の臨床観察と治療経験を経て、尾骨脱臼によって生じた終糸の牽引を取り除くため、低侵襲治療を含む当研究所独自の治療計画「終糸システム®」の適用を提案しており、優れた治療効果が得られています。 論文執筆者であるロヨ医師、フィアヨス医師、ビヤビセンシオ医師、そして当研究所の研究開発(R&D)部門チーム、『World Neurosurgery:X』への論文掲載おめでとうございます。 仙尾骨脱臼を伴う神経頭蓋脊柱症候群の治療に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。

2023年11月17日

現在、脳神経外科分野では、アーノルド・キアリ症候群の診断について議論がなされています。小脳扁桃は、小脳の下部にある解剖学的構造で、大後頭孔の境界内の頭蓋骨内にあります。小脳扁桃の下垂が 3mm、5mmmまたは7mmを超え(研究者によって異なる)、脊髄に他の奇形が見られない場合にアーノルド・キアリ症候群I型と診断されます。 2018年から2020年の時点で、一部の著者はアーノルド・キアリ症候群の分類に、0型、1、5型、そしてV型といった新しい分類を追加しています。小脳扁桃のわずかな下垂でもアーノルド・キアリ症候群の症状を引き起こす可能性があるとする考えが減少傾向にある中、現在最も疑問が生じているのは、アーノルド・キアリ0型症候群の診断です。 最近の文献で、ある著者はアーノルド・キアリ症候群0型は脊髄空洞症がない患者、または小脳扁桃下垂が最小限で、後頭部痛、後頸部痛、脊髄小脳の機能不全などのキアリ奇形I型の典型的な症状や徴候を伴う患者を表現するために使用されると報告していますが、それに異議を唱える研究者もいます。 ロヨ医師率いる医療チームは、終糸病患者において、キアリ奇形に関連する症状の重症度が小脳扁桃の下垂の大きさと直接関係していない例が複数あることを観察しており、小脳扁桃の明らかな下垂がない患者においても、アーノルド・キアリI型症候群と同様の臨床像が存在していることを確認しています。実際、小脳扁桃下垂の原因となる終糸病に関する研究の観点から、MRI画像上 における終糸病の表現である可能性のある状態には次のようなものがあります。 「McRae線で表される大後頭孔より下の小脳扁桃の一方または両方の下垂…また、小脳扁桃のMcRae線との接触または密接さを初期の小脳扁桃下垂とみなし、小脳扁桃の嵌入と定義します。これは、他の著者がキアリ奇形0型と呼ぶ状態と同等のものです。」 小脳扁桃の嵌入がわかった患者さんにとって、大後頭孔への小脳扁桃の下垂が3mmを超えない場合でも、MRI画像において確認可能であり、アーノルド・キアリI型症候群患者と同様に、生活の質に影響を与える症状が見られる可能性があることを知っておくことは非常に重要です。 当研究所では、アーノルド・キアリ 0 型患者にも有効な治療法である独自の治療計画、終糸システム® を提供しており、優れた成果が得られています。これは、緊張状態にある終糸による牽引が小脳扁桃にはほとんど影響を与えていなくても、多くの症状を引き起こす可能性があることを示しています。低侵襲治療の終糸切断手術によって症状の改善または消失につながり、患者さんの生活の質を取り戻すことができています。   参考文献 Arnold Chiari Malformation Joaquin A. Hidalgo; Craig A. Tork; Matthew Varacallo. M. StatPearls Publishing; 2023 Jan. 2022 Sep 5. Ventrolateral Tonsillar Position Defines Novel Chiari 0.5 Classification; Peter F. Morgenstern, Umberto Tosi; World Neurosurg 2020 Apr;136:444-453. doi: 10.1016/j.wneu.2020.01.147. Is there a…  

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2023年10月6日

図1: ある患者の術後のMRI画像。終糸システム®適用で行われた終糸切断手術から6年後に撮影されたMRI画像では、6年前に確認された明らかな小脳扁桃下垂は見られなくなっています。 終糸病および神経頭蓋脊柱症候群は、MRIなどの検査画像上では例えばアーノルド・キアリI型症候群と呼ばれる大後頭孔からの小脳扁桃下垂などが確認できます。 当研究所のロヨ医師率いる医療チームは、病気の原因を取り除き、病気の症状や徴候はもちろん、病気自体の進行を止めることを目的に、キアリ奇形I型患者に終糸システム®を適用します。 終糸と呼ばれる繊維を切ることで、小脳扁桃の下垂の悪化を防ぎ、なおかつ神経系全体にかかっていた牽引を取り除き、可逆性の細胞の機能や損傷の回復を期待することができ、患者さんによっては、術後に小脳扁桃下垂の上昇が確認できるケースもあります。 この小脳扁桃下垂の上昇は、当研究所で確認できた症例で、術後1、2年経ってから、または5年から10年の間など様々です(図1参照)。 当研究所で行われる治療は、小脳扁桃がある場所とは違う部分で行われる外科治療であるにもかかわらず、術後に小脳扁桃の位置に変化が見られ、なおかつ患者さん自身が症状の改善を感じられるということは、当研究所医療チームにとっては、「終糸切断手術によって病気の原因が取り除かれ、脊髄、脳幹、そして脊椎が緊張性終糸から解放された」ことを意味しています。 上記の理由から、30年間の治療実績も含め、当研究所が提供する終糸システム®によって、アーノルド・キアリI型症候群の進行を止めることができると断言することができます。患者さんの症状の改善および医師側が確認できる徴候の改善、そしてある症例においては小脳扁桃下垂の上昇も見られ、それらは患者さんの生活の質の向上にもつながっています。 参考文献 Royo-Salvador, MB, Fiallos-Rivera, MV, Salca, HC et al. BMC Neurol 20, 175 (2020) Royo Salvador MB. Filum System® Guía breve. Mar 2015.

2023年9月28日

今年も、アーノルド・キアリ症候群に対するより深い理解と、患者さんの生活の質の向上を願い、このアーノルド・キアリ症候群の国際デーをみなさんと一緒に祝いたいと思います。 約50年前、ミゲル・ロヨ=サルバドール医師はアーノルド・キアリI型症候群(小脳扁桃下垂)の原因である終糸病を突き止め、それ以来、原因を取り除き、病気の進行を阻止するための外科的治療を提供するための最良の術式を研究し、1997年に論文を発表、独自の低侵襲治療の治療計画「終糸システム®」を完成させ、2005年にその成果が得られています(https://institutchiaribcn.com/jp/ミゲル-b・ロヨ-サルバドール医師/)。 現在、当研究所 ではアーノルド・キアリI型症候群(小脳扁桃下垂)の患者さん1500名以上に治療を行い、病気の進行を止められたほか、ある例では小脳扁桃下垂の上昇を確認できるなど、良い成績を収めています。現在までに大きな合併症は発症しておらず、患者さんの94,6%は、長期的に見て(手術から15〜20年の術後検診を通して)生活の質が向上していると認識しています。 当研究所創設以来、ロヨ医師率いる医療チームは、対面診療およびオンライン診療を通して、2600名以上の患者さんに対して終糸病を患っていることを確認しました。また、キアリ奇形は遺伝的要因の可能性のある先天性疾患であることから、患者さんの家族のメンバーで、同じようにキアリ奇形の病状が確認され、外科治療を受けています。 当研究所チームで得られた治療の成果、そして患者さんが得られた病状の改善によって、当研究所の治療計画がより多くの専門家の理解を得られ、アーノルド・キアリ症候群を患う患者さんが適切な治療法を選択できるようになることを願っています。

2023年6月12日

この度、バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所は創立15周年を迎えることができ、当研究所スタッフ一同大変嬉しく思っております。 この15年間、当研究所ではアーノルド・キアリI型症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症で苦しむ方々の健康を改善するために尽力してきました。 当研究所は2008年に設立されて以来、上記疾患の診断と治療の先駆者として治療にあたり、当研究所で行われた初診は3000件を超え、5大陸85カ国から2100名以上の患者さんに終糸システム®を適用して、低侵襲治療の終糸切断手術を行いました。それにより、病気の原因である「先天的な緊張性終糸による全神経系の牽引」を取り除き、病気の進行を阻止することができました。 当研究所スタッフ一同、患者さんを通して、病気を乗り越える勇気と将来への希望を目の当たりにし、患者さん一人ひとりに寄り添うことの大切さ、尊重することの重要性を学びました。当研究所を信頼してくださった患者さんとそのご家族に、今一度感謝申し上げます。 私たちの使命は、今後も最高の医療を提供し、患者さんに健康的で充実した生活を提供することです。当研究所医療チームはもちろん、提携機関、提携医師によるオンライン医療相談、診察、治療、術後ケアといった献身的な長期フォローアップのおかげで、当研究所で素晴らしい治療成績を得られ、多くの人々の生活に変化をもたらすことができました。 15周という記念日と、これまでの治療の成果を通して、今後も熱意を持って治療に取り組み、医療の最前線で研究を推進し、患者さんの生活の質の向上のため取り組んでいきたいと思っております。 この機会に終糸病とその他関連疾患に関する知識を共有し、当研究所15周年を皆さまとお祝いできたらと思っております。 この15年間の旅路を共に歩んでくださった方々に、感謝申し上げます。

2023年5月5日

図1 終糸システム適用®で終糸切断手術を受けた患者さんの術前術後のMRI画像。術後7年間で脊髄内の空洞が消失しています。 脊髄空洞症は、脊髄内に一つまたは複数の嚢胞ができ、通常、全身の神経障害を伴い、代表的な症状は、上下肢の痛み、頸痛、温覚および痛覚の感覚異常、腰痛、背部痛、頭痛、歩行障害、麻痺、括約筋障害などです。脊髄空洞症患者は、慢性的な痛みを伴う生活を強いられ、それは自律性の喪失へとつながります。 当研究所では特発性脊髄空洞症の治療にあたっており、当研究所のロヨ=サルバドール所長の理論によると、脊髄空洞症は終糸病によるもので、検査画像上では確認できない緊張性終糸の牽引によって脊髄内が虚血状態となり、空洞が形成されると考えられています。 当研究所が提供している治療は、当研究所独自の治療計画である終糸システム®を適用して行われる低侵襲治療の終糸切断手術であり、脊髄空洞症の原因を排除し、病気の進行を止めることを目的に行われます。 ロヨ医師が1993年に初めて脊髄空洞症の原因を突き止めてから30年が経ちますが、当研究所医療チームは、終糸システム®を適用して脊髄空洞症を治療することで、優れた成果をあげられることを実証することができました。 当研究所医療チームのフィアリョス医師は、「当研究所の治療で脊髄空洞症の進行を止め、嚢胞がさらに脊髄内組織を取り込むことで壊死が拡大してしまうのを防ぐことができます。これは、治療を受けた患者さんの術後、MRIで確認することができます。それだけではなく、中長期的に見ると、空洞が再吸収され、MRI上では空洞が消失する例もあります(図1)。患者さんによっては、治療後MRI画像上から脊髄空洞症だったことがわからないほどの改善が見られ、それと並行して症状の改善も観察されます。当研究所で行っている治療により、中枢神経系の正しい循環を回復することができ、これまでに得られた成果は、間接的な外科治療の結果であるため、すぐに確認できるものではありませんが、脳神経外科医(客観的)にとっても、患者さん(主観的)にとっても、効果的な治療であることは確かです。当研究所では約7年〜10年後に術後検診を実施し、空洞の減少と患者さんの症状の改善を確認しています」と述べています。

2022年9月28日

アーノルド・キアリ症候群の治療に特化した専門機関である当研究所では、今年もアーノルド・キアリ症候群の国際デーを皆様とともに祝いたいと考えています。 アーノルド・キアリI型症候群がどういう病気かわからない方のためにここで説明を加えると、一般的に小脳扁桃が大後頭孔を通って下垂することを意味し、脊髄に奇形は見られません。当研究所所長のロヨ・サルバドール医師の約50年に及ぶ研究によると、小脳扁桃下垂(アーノルド・キアリI型症候群)は、脊髄末端にある終糸が通常よりも緊張状態にあり、神経系全体を引っ張っていることで生じる終糸病が原因であることがわかっています。 アーノルド・キアリI型症候群の症状は主に、頭痛、頸痛、手足の麻痺、視覚障害、手足の疼痛、感覚異常、めまい、 嚥下障害、腰痛、記憶障害、歩行障害、胸痛、平衡感覚障害、痛覚異常、言語障害、括約筋障害、不眠症、嘔吐、失神、震えなどで、時間の経過と共に悪化していく傾向があります。 アーノルド・キアリI型症候群患者の生活の質は、治療法を見つける前に著しく低下する可能性があり、これは進行性の病気という理由だけではなく、一般的に提案される外科治療が、大後頭孔減圧術という大変リスクの高い手術であるためです。病気の悪化によって、手術のリスクよりも病気自体のリスクが高くなるまで、経過観察になるのが一般的です。 一方、終糸システム®と呼ばれる病気の診断と治療法をまとめたロヨ医師の治療計画に従うと、終糸切断手術という低侵襲治療によって、病気の原因と病気が身体へ及ぼす影響を取り除くことができます。 当研究所で適用されるアーノルド・キアリI型症候群に対する終糸システム®の結果は良好で、病気の進行が止められるのはもちろん、術後にいくつかの症状の改善または消失、そして患者さんの生活の質にも改善が見られます。 場合によっては、術後1年またはそれ以上経ってから、患者さんの中にはMRI画像上で小脳扁桃の上昇が観察されることがありますが、重要なのは、終糸によって引き起こされる緊張状態を外科治療によって取り除くことです。 小脳扁桃下垂を伴う終糸病患者さんに捧げられた9月28日という日に、以前には存在しなかった新しい希望、「終糸切断手術」という効果的で低リスクの治療法があることをここで強調したいと思います。  

2022年5月27日

当研究所の研究開発イノベーション部門は、ミゲル=B・ロヨ=サルバドール医師の絶え間ない研究と臨床経験を結果として、2014年に正式に設立されました。 ロヨ医師の学術研究の最初の数年間は、ホセ=マリア・ドメネク教授(バルセロナ自治大学医学部の解剖学および発生学の正教授)のサポートのもと、特発性脊髄空洞症とその病因学への理解について研究し、博士論文を発表しました。 その後、終糸によって神経系全体に過度の牽引が起こり、アーノルド・キアリI型症候群、脊髄空洞症、脊柱側弯症、頭蓋底陥入症、扁平頭蓋底、歯状突起奇形、脳幹のよじれなどといった現在まで原因不明と言われていた病気が起こっていたことを理解し、上記疾患を含んだ新しい病気を「終糸病」と命名しました。 ロヨ医師は、「終糸病」という新しい病気の診断を受けた患者さんに対して、低侵襲治療の終糸切断手術を適用し、同時に外科治療の記述、実行、改善が行われ、終糸病とその治療法に関する新しい病理学的概念の研究、および論文執筆に従事してきました。 当研究所においては、終糸病の治療に対して、終糸システム®という、病因、診断、医療、外科治療およびリハビリテーションから構成される専門性の高い治療計画の開発に取り組みました。 2020年、当研究所の研究チームは373例の症例をもとに、病気の臨床診断と画像診断を記述した論文を発表し、特に潜在性脊髄係留症候群と混同されていた部分を明確にし、終糸病と神経頭蓋脊柱症候群の違いについて明らかにしました。 現在、当研究所の研究開発イノベーション部門は、バルセロナ大学、バルセロナ自治大学、およびシマ病院と協力して、終糸病に関連のある全ての分野の研究を進め、技術の進歩、神経学的方法論およびエキスパートシステムの研究を行っています。患者さんの生活の質の向上のため、知識と新しい発見を提供し、医学的、外科的、技術的に患者さんを支援していきたいと考えています。 研究の大部分は、研究普及と治療の社会的支援を行うキアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金によって資金提供されており、ロヨ医師は後援者の一人でもあります。基金では、研究活動継続のため、皆様からの温かいご寄付を心よりお待ちしております(https://chiarifoundationbcn.com/donar/ )。 バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所 研究開発イノベーション部門

2022年5月5日

バルセロナキアリ研究所は、世界中から訪れる患者さんへの診療業務はもちろん、当研究所の研究開発(R&D)業務の更なる向上のため、新施設「カサ・イクセブ(Casa ICSEB)」を開設しました。 新施設「カサ・イクセブ(Casa ICSEB)」は、マヌエル・ジロナ通り32番地に建てられ、工事の進み具合や、「カサ・イクセブ(Casa ICSEB)」の詳細についての問い合わせを多くいただくようになりました。また、当研究所をご存じの方も、そうでない方からも称賛の声をいただいております。そんな当研究所の新施設「カサ・イクセブ(Casa ICSEB)」について、少しここでご紹介したいと思います。 カサ・イクセブ(Casa ICSEB) 当研究所の新しい診療所「カサ・イクセブ(Casa ICSEB)」は、スペイン語で「家」を意味するカサと、バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所(Institut Chiari & Siringomielia & Escoliosis de Barcelona)の頭文字のICSEB(イクセブ)を取って、「カサ・イクセブ(Casa ICSEB)」と名付けられました。 1920年代のスペインのカタルーニャ文学運動の象徴とされる建築物で、現在のラスコルツ区のペドラルベス地区、マヌエル・ジロナ通りとドクトー・フェラン通りが交差する南西の角にあり、都市の重要資産に認定され、バルセロナ歴史遺産の一つとなっています。 1915年4月24日、株式会社不動産開発の取締役社長のアントニ・ミラクラ=イ=メルカデル(Antoni Miracle i Mercader)氏が、当時のサン・ビセンス・ダ・サリア憲法市議会から建築許可を取得し建てた長屋住宅は、数年前からひどい劣化状態のまま放置され、住宅の一部にいたっては不法占拠されていました。 2018年7月、「カサ・イクセブ(Casa ICSEB)」建設という新しいプロジェクトが始動すると、それに伴うバルセロナ市役所遺産・建築および歴史・芸術部門での手続きをはじめ、バルセロナ市役所とバルセロナ市立研究所の公園・庭園部からの建築許可の取得、建築家協会への報告書、予防・消化・救助サービスなどの消防機関への報告書提出などの手続きが始まりました。マヌエル・ジロナ通り32番地にあった長屋住宅は、建築家のホルヘ・ダバロス=エランド(Jorge Dávalos Errando)氏の設計によって増築、修繕・改修工事が行われ、現在の「カサ・イクセブ(Casa ICSEB)」が誕生しました。 2022年04月、新施設「カサ・イクセブ(Casa ICSEB)」での活動がスタートし、世界中から訪れる患者さんへの診療業務だけではなく、バルセロナ自治大学医学部正教授とバルセロナ神経学研究所、およびキアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金の支援を受けて、当研究所の研究開発(R&D)業務における、全人類と哺乳類に影響を与える終糸病という神経-頭蓋-脊柱疾患の研究の更なる向上を期待することができます。 当研究所の新しい住所 Paseo Manuel Girona 32, 08034 Barcelona, SPAIN みなさまのご来訪を心よりお待ちしております。 当研究所は、患者さんに最善の治療法を提供・研究し続けることをお約束いたします。.

2022年2月28日

希少疾患は人口の有病率が低い疾患のことで、具体的に言うと人口10000人に対して5人未満に影響を与える場合に希少疾患と考えられています。 現在、アーノルド・キアリI型症候群と特発性脊髄空洞症は、国際ポータルサイトのOrpahnet(オーファネット)の希少疾患分類リストに含まれており、この分類リストに含まれる疾患は、多くの場合、投薬、研究、および治療が不足していることを意味し、利用可能なデータが少ないため有病率は示されていません。 当研究所は脳神経外科を専門とする医療機関で、上記二つの病気を扱っており、 終糸病は、小脳扁桃の下垂や脊髄内の空洞といった形で現れます。これまでの当研究所の経験、そして決疑論に照らし合わせると、MRI検査の実施が増えたことにより、キアリ奇形や脊髄空洞症と診断される例が増えたため(通常は、上記疾患以外の理由でMRI検査が行われ、偶然発見されるケースがほとんどです)、これらの病気は現在までに確認された発生率よりも高い可能性があると考えられます。そして、当研究所の研究開発(R&D)部門でもその研究を行っています。 さらに、数年前から終糸病患者の家族の中にも同様に終糸病との診断を受ける症例が増えてきています。これは、アーノルド・キアリI型症候群(キアリ奇形I型)や特発性脊髄空洞症がそれほど珍しい病気ではないことを意味しますが、現在でもその診断を受けた患者さんは、希少疾患患者と同様、病気に周知している医師・医療機関の不足、専門機関でのケアを受けるために国内および国外を移動しなければならない状況に置かれ、それは患者さんに生活の質(QOL)の低下をもたらします。 今日は世界希少・難治性疾患の日です。希少疾患が存在しているという認識を高め、病気で苦しむ人々によりよい生活を保証するため、適切な診断と治療が受けられるよう促すことを目的としています。世界希少・難治性疾患の日を祝うために、貢献できることがあります。それは、寄附やボランティア活動といった形で、患者さんとその家族の支援をすることです。 終糸病に含まれる病気の支援ご希望の方は、キアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金(https://chiarifoundationbcn.com/)のウェブサイトから、寄附をお願いいたします。 “患者さんのよりよい未来のために” #DíaMundialdelasEnefermedadesRaras #EnfermedadesRaras. #世界希少・難治性疾患の日 #希少疾患

2022年2月4日

当研究所では脳神経外科の立場から、アーノルド・キアリI型症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症などの終糸病およびその他の関連疾患を治療しております。 終糸病は先天性、潜在性、神経変性、進行性、および慢性疾患で、終糸切断手術によって終糸の緊張状態が取れても、病気自体が引き起こした後遺症を取り除くことはできません。 そのため、終糸病患者の医療ケアには4種類の異なる専門医が必要となってきます。 診断のための神経内科医または脳神経外科医 終糸病および椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などの関連疾患の治療のための脳神経外科医または整形外科医 重度の脊柱側弯症のための整形外科医 術後に残った脊椎および神経の後遺症の治療のためのリハビリテーション科専門医または神経内科医 当研究所では、終糸システム®適用での終糸切断手術の効果を高めるため、後遺症のある終糸病患者さんに対する術後の理学療法は欠かせないと考えています。 しかしながら、新型コロナウイルス感染症パンデミックが始まって以来、残念ながら多くの患者さんが新型コロナウイルス感染症感染防止のため、リハビリテーションセンター、特にプールや水治療法などのリハビリの継続が難しくなっているようです。 術後中長期の患者さんには、可能な限りで構いませんので、リハビリテーション科専門医ガイドラインに従って、家族や周りのサポートを受けながら、理学療法を継続することを推奨いたします。 患者さんがお住まいの地域の理学療法士が、終糸病と当研究所の治療法についてご質問がある場合は、当研究所の提携している終糸システム®適用認可機関および認可医師、または当研究所までお問合せください。 認可機関および認可医師については、下記のリンクからご確認いただけます。 https://institutchiaribcn.com/jp/認可機関/マンティア医療センターcentro-medico-mantia/ https://institutchiaribcn.com/jp/ベルギーニューロフィードバック・マイオセラピ/

2021年9月28日

9月28日は、アーノルド・キアリ症候群の国際デーです。様々な健康問題を引き起こすこの病気を、より多くの方に知ってもらえるよう当研究所でも取り組んでおります。 残念ながら、当研究所へ治療を受けに来られる多くの患者さんから、正しい診断を得るために長い時間がかかり、医療従事者や家族といった周りからの理解を得るのに苦労していらっしゃると伺っております。 そのため、この国際デーという機会に今一度、この病気で苦しんでいる患者さん、そしてご家族全ての方に、当研究所からのサポートを示したいと思います。当研究所のロヨ医師と医療チームによる40年以上にわたる研究から得たアーノルド・キアリ症候群に関する情報を、今後も多くの患者さんに提供していきたいと思います。 以下のリンクでは、アーノルドキアリ症候群の種類、そしてアーノルド・キアリI型症候群に関する症状と治療法についてご紹介しております。 https://institutchiaribcn.com/arnold-chiari/ 2007年以来、当研究所ではアーノルド・キアリ症候群およびその他の原因不明といわれる病気の診断・治療・経過観察に携わってきました。上記疾患は終糸病といわれる病気から引き起こされるもので、治療によってその進行を止め、症状の改善が期待されます。 間違った情報・診断名は患者さんの健康に深刻な影響を与えることから、本日9月28日の国際デーを通して、正しい診断・治療の重要性について強調したいと思います。

2021年7月22日

当研究所所長のロヨ=サルバドール医師は、1993年に低侵襲の最新治療、終糸切断手術の適用を始めました。現在まで、キアリ奇形I型、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症および他の関連する病気と診断された患者1850名が終糸システム適用®で終糸切断手術を受けられました。 当研究所の医療チームから術前に全ての患者さんに対して、手術は病気の原因を取り除き、病気の進行つまり悪化を防ぐための治療であり、病気がもたらした神経系の損傷、またそれによる症状、機能不全などを治癒するわけではないことをお伝えしています。 ほとんどの患者さんは術後直後に何らかの症状の改善や消失が見られ、ある患者さんは数ヶ月または数年経ってから症状の変化が見られる場合があります。術後のリハビリや理学療法についても同じことが言え、多くの患者さんはリハビリ後に機能レベルで段階的な改善が見られ、早い人は最初の数ヶ月からすでに変化を観察できる場合があります。 一方で、術前のように症状が悪化し続けることはなく安定はしているものの、術後直後の段階では症状や病状に変化を感じられない患者さんもいらっしゃるのも事実です。術後直後から症状の改善が見られた他の患者さんと比べてしまい、恐怖を煽ってしまうのではないかという懸念から、当研究所ではここで改めて言及したいことがあります。 まず、他の患者さんが同じような症状を持っていたとしても、患者さんそれぞれの臨床像は異なるため、他の患者さんと比較することはできません。唯一患者さんの術前術後の経過が正しいかどうかを判断できるのは専門家であり、術前術後の症状と画像の比較により評価することができます。 また、症状の原因となる損傷には可逆性と不可逆性と呼ばれる2種類の損傷があります。終糸切断手術によって、異常終糸が引き起こしていた全神経系への牽引を取り除くことができ、中・長期的に見て、可能な限り回復する可能性を導きます。しかし、不可逆的損傷があると神経系は再生することができないため、術後の回復度合いは制限されます。 同様に、ある一部の患者は術後に症状が改善、または消失したものの、その後、外傷、事故、ストレス、薬物療法、女性の月経周期の変化、あるいは肉体労働によって術前の症状が再び現れることが、当研究所の医師によって確認されています。それが起こった場合には、以前の術後の状態に戻るまで一定期間かかりますが、一般的には上記不調が解消されると症状も改善していきます。 最後に、ある症例では、終糸病以外の病気も抱えていて、その病気の症状が終糸病と共通している場合、終糸切断手術後、どの症状が終糸病から発症し、どの症状が終糸病以外から来ているものなのかの判断が難しいため、症状が悪化する場合には、終糸病以外に抱えている病気の治療を受ける必要性が出てきます。その場合には、その病気の専門家に診てもらい、患者さんそれぞれに合った治療法を検討する必要があります。 結論として、当研究所医療チームの専門化された経験から、術後の回復がゆっくりな場合や、終糸病の影響をより受けている患者さんに対しても、異常終糸によって引き起こされた過度の牽引力を排除することは、患者さんの健康状態を改善するために最も効果的な治療法だということが言えます。 終糸システム適用®での終糸切断手術は、一般的に患者さんの生活の質を向上し、症状の改善、ほとんどの症例で非常に満足のいく機能回復を確認しています。さらに、外科治療自体は病気の損傷を治すための治療法ではありませんが、終糸病の影響を強く受けた患者さんの場合でも、長期的に見て良好な術後経過が期待できます。      

2020年3月17日

この質問に答えるには、以下の項目を考慮する必要があります。 新型コロナウイルス感染症は、最近になって野生動物からヒトへ感染したと見られており、発生から3ヶ月ほどしか経っていないため、分からないことがまだ多くあります。 現在までに(おそらく何万人もいると想定できますが)、新型コロナウイルス感染症を伴った終糸病患者は確認されていません。 新型コロナウイルス感染症の症状は、主に発熱、頭痛、咳で、重症化すると肺機能の悪化で呼吸不全をきたします。 新型コロナウイルス感染症はインフルエンザに似ており、多くの場合(80%)、軽症か無症状です。   上記項目を考慮すると、以下のことが推測されます。 新型コロナウイルスの感染過程および咳(バルサルバ手技)によって頭蓋内圧が上昇し、小脳扁桃下垂(アーノルド・キアリI型症候群/キアリ奇形)の症状である頭痛が悪化することがあります。 新型コロナウイルスの咳は、インフルエンザの咳と同様、つまり一般的にはわずかではあるものの、脊髄空洞症の症状を悪化させることがあります。 まれに、新型コロナウイルスによる肺機能への影響が、終糸病における脳幹の呼吸中枢への影響を増加させることがあります。また、重度の特発性脊柱側弯症による拘束性肺疾患を悪化させる可能性があります。 今後、終糸病と新型コロナウイルスの関連性に注視しながら、新型コロナウイルスが神経系や心臓などの他の器官に影響を与えるかを見ていく必要があります。 >一般的に、終糸病が新型コロナウイルスのリスクを増加させることはありません。

2019年2月28日

今年の世界希少・難治性疾患の日は、患者さんの幸せのためにサービス間での伝達と連携を促進するため、テーマとして「ソーシャルケアとヘルスケアの架け橋の構築」を掲げています。 病気に対する知識と理解は、患者さんを支える医療および社会分野の専門家にとってはもちろん、患者さんや患者さんを取り巻く環境にとって重要な要素です。病気と病気の治療法の選択肢を理解することは、患者さんの生活の質の向上に大きくつながります。 バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所、キアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金、およびバルセロナ終糸アカデミー®では、創立当初から終糸病という新しい病気への研究、教育、普及のために取り組んできました。 ロヨ=サルバドール脳神経外科医の1992年に発表された博士論文にて、アーノルド・キアリI型症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症、扁平頭蓋底、頭蓋底陥入症、歯突起後屈、脳幹のよじれが終糸病という新しい病気からくる疾患であることがわかり、上記疾患の原因は過緊張終糸による脊髄から全神経系にかかる脊髄牽引だということが明らかになりました。 終糸病および関連疾患の診断、治療、術後経過観察は、終糸システム®という治療計画にまとめられ、その中に低侵襲外科治療である終糸切断手術があり、病気の進行を止め、症状の改善を期待できる治療です。 今まで原因不明とされたアーノルド・キアリI型症候群、脊髄空洞症、脊柱側弯症やその他関連疾患は、終糸病という病気が原因であり、治療法が存在します。 当研究所の治療法を知っていただくために、まずはこちらの無料終糸病診断テストをお試しください。https://institutchiaribcn.com/test-enfermedad-filum/

2018年12月18日

2018年は記念すべき一年となりました。6月にバルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所は創立10周年を迎え、11月にはキアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金が創立10周年を迎えました。当研究所と基金の取り組みによって、40年以上のロヨ医師の研究を基に作られた終糸病(アーノルド・キアリ奇形、脊髄空洞症、脊柱側弯症など)の診断、治療のための治療計画終糸システム®適用での治療を受けに、10年間で世界から1500名以上の患者さんが当研究所を訪れました。 当研究所および基金と同様、今年で勤務10年を迎えるチームスタッフが3名おります。中国語および台湾語担当のペイさん、フランス語およびスペイン語担当のサマンタさん、そしてカタルーニャ語担当のルルデスさんです。この10年間、ペイさんとサマンタさん、ルルデスさんは、患者さんと医師間のコミュニケーションが円滑に進むよう、患者さんの術前術後をサポートしてきました。ルルデスさんは動画内で「私がバルセロナキアリ研究所での業務を始めた時は、まさかこんなにも私の人生にとって大きな存在になるとは思っていませんでした。研究所は私にとって家族のような存在です。患者さんの健康、生活の質の向上、そして患者さんの幸せに貢献できるのは大変光栄なことです」と述べています。また、ルルデスさんは、当研究所で終糸切断手術を受けた患者さんでもあり、患者さんの病気による苦しみ、手術によって回復した喜びを分かち合うことができるとも語っています。 ペイさん、サマンタさん、ルルデスさん、10周年おめでとうございます。今後も終糸システム®普及のため、そして患者さんのサポートのため、さらなる活躍を期待しています。

2018年6月19日

  2018年6月12日 バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所の創立10周年を祝い、当研究所と 終糸病の治療・周知のためにともに取り組んできた医療従事者・専門家から、ロヨ医師および当研究所チームあてにお祝いメッセージが届きました。   アロンソ・ロドリゲス教授 バルセロナ自治大学正教授 ロヨ先生、研究所創立10周年おめでとうございます。ロヨ先生は本当に勤勉で、病気の研究に一生を捧げていらっしゃる方です。ロヨ先生、私で力になれることがあればいつでもご連絡ください。   ジャコーモ・カルソ医師 脳神経外科医、神経生理学者 ロザリア・フロリオ医師 産婦人科医 親愛なるミゲルへ、このような重要な目標を達成できたことを祝福したいと思います。ミゲルやミゲルの協力者の絶え間ない努力の結果だと思います。バルセロナキアリ研究所に対して様々な意見があるかもしれませんが、研究所はもう世界レベルで周知されている医療施設です。妻と私、そしてここに住むミゲルを知っているすべての人が今後の研究所の活躍を心から祈っています。チャオ、ミゲル、10周年本当におめでとう!   フランチェスコ・クロチェ医師 内科医・呼吸器専門医 親愛なるロヨ先生、素晴らしい10年が経ちました。パレルモ、トリエステ、ローマ、オリスターノ、バリ、リオンでの患者集会に講演者として参加したことを、今でもよく覚えています。医師として、またこの奇病の患者として、病気の周知に少しでも貢献できたのなら嬉しいです。先生がこの10年で構築してきたものが世界中に周知され、医学界に発表されることを心から願っています。アドマイオーラ(幸運を!うまくいきますように!)   アントニ・エルナンデス医師 神経内科医 親愛なる友、ミゲルへ。君が病気の治療を始めて、革新を続けてからもう10年になるんだね。知り合ってからもう何年も経ち、これまでお互い協力し合ってきたけれど、今後ももっと協力し合えることを願っています。本当におめでとう!   フィリッポ・イアファンティ医師 整形外科医・リハビリ専門医 こんにちは。私は整形外科医のイアファンティです。バルセロナキアリ研究所と医療提携を始めてから3年が経ちますが、おかげさまで脊髄空洞症、キアリ症候群、脊柱側弯症、椎間板症患者さんを診る機会を多く得ることができました。大変貴重な経験をさせてもらい、私は、終糸切断手術で優れた効果を得るには、早期診断は欠かせないと考えています。バルセロナキアリ研究所、特にロヨ先生、10周年おめでとうございます。アドマイオーラ(幸運を!うまくいきますように!)   ガブリエル・オジェ医師 麻酔科医 こんにちは。ロヨ先生、研究所チームのみなさん、10周年おめでとうございます。研究所が治療にあたっている病気の患者さんに、麻酔科医として協力できることを大変嬉しく思います。バルセロナキアリ研究所の益々のご発展をお祈りしています。   ロベルト・マンティア医師 整形外科医・リハビリ専門医 (マンティア医療センター) “親愛なるミゲルへ。研究所創立10周年を一緒に祝いたいと思います。” ロベルト医師は、医学界の重要な発見をし、先駆者として世界レベルで周知されるようになった当研究所との医療提携ができたことを大変嬉しく思っていると語っています。この10年を振り返り、大変なこともあったけれど、特にここ8年間は有意義な提携をすることができたと述べています。ロベルト医師は、ロヨ医師はじめマラさんや研究所チームにお祝いのメッセージを述べ、今後の研究所の発展を願って動画を締めくくっています。   アントニオ・ビクトリア医師 循環器専門医 (カルタヘナ病院) バルセロナキアリ研究所の創立10周年に向けて、患者さんにはバルセロナキアリ研究所を信じて治療を受けてほしいということと、ロヨ先生、研究所チームのみなさんには簡単に二言ほど述べさせていただきます。他国の施設のことは一切気にせず、今後も揺るがない思いを持って治療、教育、研究に励んでいってください。そして、研究所の柱であるマラさんはもちろん、フィアヨス先生、サルカ先生への存在無しには研究所は成り立ちません。今後200年以上続く研究所でありますよう、心から祈っています。研究所のように優れた治療を適切にかつ効果的に提供できる医療機関はないと言っても過言ではありません。   ファブリツィオ・マンティア医師 整形外科医・リハビリ専門医 (マンティア医療センター) “親愛なるミゲルへ、研究所創立10周年おめでとう。” ファブリツィオ医師は、初めて当研究所を訪れた日を回想し、様々な困難を乗り越えここまで提携を続けられたことを振り返っています。当研究所とマンティア医療センター間で作成された「マンティア-ロヨ/ロヨ-マンティ」リハビリプロトコルによって、スペインとイタリアという二国間の距離でも、術後の患者さんの経過観察ができるようになったと述べ、今後の当研究所の活躍を祈り、お祝いの言葉で動画を締めくくっています。   アナ・イサベル氏、アナ・ラファルガ氏、アデラ・モリナ氏 当研究所の手術室看護師 キアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所チーム、チームを率いるロヨ先生、研究所創立10周年おめでとうございます。バルセロナキアリ研究所の手術室看護師チームとして患者さんの治療にあたることができ、大変嬉しく思います。この先もずっと協力していけたらと思います。おめでとうございます!   ジュアナ・マリン弁護士 弁護士・キアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金後援者 ロヨ先生、バルセロナキアリ研究所創立10周年おめでとうございます。法的問題や困難を乗り越え、この10年間で多くの命を救ったバルセロナキアリ研究所創設時からサポートできたことを誇りに思います。 ロヨ先生の40年以上にも渡る研究がなければ、ここまで辿り着くことはできなかったでしょう。また、基金創立時から後援者として、現在まで法的問題の解決などに携われるのは大変光栄なことです。この10年の成功、おめでとうございます。このプロジェクトの一員として携われたこと、本当に感謝しています。   パブロ・ランデチョ氏とフランシスコ・カルデイス氏…  

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2018年5月18日

2008年から、40年以上にも渡る研究によって構築された治療を61か国の患者さんに提供 バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所は2008年6月12日に設立、診療を開始しました。研究所設立は新たなステージの出発点に過ぎませんが、実際には当研究所の創立者であり研究所所長のミゲル・ロヨ医師が70年代に始めた研究の集大成でもあります。 ロヨ医師の研究は当初、特発性脊髄空洞症の原因解明に焦点が当てられていましたが、その後アーノルド・キアリI型症候群、そして特発性脊柱側弯症と研究範囲を広げていき、この3つの病気が、同じ原因で起こっているという結論に辿り着きました。それは、当研究所の研究によれば、終糸と呼ばれる脊髄末端と尾椎をつなぐ組織の異常な緊張状態によって脊髄牽引を引き起こし、全神経系に影響を与え、病気の症状や兆候が現れます。 1992年に発表された博士論文をもとに、ロヨ医師は終糸病という新しいコンセプトの病気の診断、治療のために終糸システム®という治療計画の理論的基礎を築きました。 革新的な治療法で優れた成績を収めたロヨ医師は、その後海外から多くの患者さんを迎えることになりますが、それはまだバルセロナキアリ研究所創設前のことでした。海外の患者さんに最良のケアを提供するため、ロヨ医師は専門家および外国語通訳を探し始めました。 優れた治療法を国際的に提供し、海外からの需要に対応するため、2008年にバルセロナキアリ研究所が設立されました。当研究所スタッフは医師だけではなく、患者ケアに従事し数カ国語を話す専門家によって構成されており、病気の進行を止め、症状の改善を求めて当研究所を受診された患者さんの数は5000名以上で、国籍は61か国に上ります。 現在、当研究所が唯一終糸システム®適用で終糸病の治療を行っている医療施設で、現在ではイタリアとポーランドの医療従事者とオンライン上でやりとりを行っており、上記2カ国で終糸システム®に従って術前診察と術後検診が行われています。また、当研究所は椎間板ヘルニアの外科的治療(当研究所独自の治療あり)でも最先端を行く医療機関です。 当研究所の業務の成果によって、現在までにスペインイノベーション認定機関であるACIEから研究開発(R&D)認証 を取得、スペイン経済産業省からは「革新的な中小企業(PYME Innovadora)」に認められました。また、終糸病の研究・診断・治療および脳神経外科疾患の診断・治療において、品質マネージメントシステムについての新しい国際規格「ISO 9001:2015」を認証機関であるIQNetとAENORから取得しました。 こうしたプロトコルや品質基準に従った治療と絶え間ない努力の結果、当研究所で治療を受けた患者さんの満足度調査では満足度94,2%という高評価を得ています。そして当研究所の特徴は、優れた革新的な技術と治療の提供だけではなく、多くの患者さんからの感謝と愛情を受けているところにあります。 当研究所スタッフ一同、研究所創設から10年間、当研究所を信頼し治療を受けに来られた患者さん、当研究所の治療普及のためにご尽力くださったみなさまには心から御礼申し上げます。また、40年以上に渡る研究を支えてくださった方々および団体、機関にもこの場を借りて感謝申し上げます。

2018年3月28日

2018年3月16日(金)、バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所にて、国際標準化機構(ISO)が定める品質マネージメントシステムについての新しい国際規格「ISO 9001:2015規格※」認証の授与式が行われ、審査機関であるアエノール(AENOR)社社長のエバ・スビラ-ヒメネス氏から認証状が贈られました。ISO9001認証取得によって、当研究所の以下の業務に対して患者さんは一貫した高品質なサービスを確実に得られることを意味しております。 終糸病の研究、診断、治療 脳神経外科疾患の診断・治療 左から:サファさん、スビラ氏、マラさん、ロヨ医師 左から:フィアヨス医師、スビラ氏、ロヨ医師、サルカ医師   当研究所のロヨ医師は開会の辞で「私どもは優れた管理、技術とイノベーションの手法を駆使して患者さんに優れたサービスを提供する重要な責務があります。そのため、医療業務や研究に取り組むだけではなく、医療界へ真の知識転移を実現するために必要な組織調整も行っています」と語りました。. 左から:スビラ氏、ロヨ医師 左から:スビラ氏、ロヨ医師、サファさん また、アエノール社のエバ・スビラ-ヒメネス社長は「当社は数年前からバルセロナキアリ研究所の業務を観察してきましたが、事業開発や患者さんの生活の質の向上の貢献といった活動は、目を見張るものがあります。ISO9001:2015規格認証の取得、本当におめでとうございます。弊社から発行された認証が、バルセロナキアリ研究所の今後のさらなる活躍と発展を後押ししてくれると願っています」と述べられました。 最後に当研究所の品質マネージメントシステム責任者のサファ・エル=イドリシさんは、「当研究所スタッフ一人ひとりが、認証取得のために懸命に取り組んだ結果、こうして認証を手にすることがきたのだと思っています」と言及しました。 スビラ氏とバルセロナキアリ研究所スタッフ   ※品質マネージメントシステム認証(ISO 9001)は、国際標準化機構(ISO)が定める品質マネージメントシステムの国際規格で、顧客満足の向上を目的に、優れたサービスの継続的な改善を目指します。現在最新の品質マネージメントシステム認証(ISO 9001)は、ISO9001:2015規格です。

2017年6月9日

スペイン語・フランス語担当のサマンタさんが当研究所メンバーに加わったのは2008年。当研究所に入った当初は英語担当として業務にあたっていましたが 、その後はスペイン語・フランス語担当して患者さんのケアを行っています。 サマンタさんが多言語・多文化に順応できる背景には、サマンタさんの生い立ちが関係しています。サマンタさんのお母様はアメリカ人、お父様はドイツ人で、サマンタさんはバルセロナで生まれました。その後はイビサ島に移り、フランス系・イギリス系のインターナショナルスクールで学びました。 高校最後の1年はアメリカのフロリダで過ごし、現地の高校を卒業しました。アメリカの大学で2年間科学・経営管理を学び、バルセロナに戻り写真学科を卒業しています。写真は今でもサマンタさんが熱中していることの一つですが、今もっとも大事にしているのは家族との時間です。時間がある時は手芸や料理、旅行などをして楽しんでいるそうです。 当研究所チームに加わって10年ほど経つ今も、「病気に苦しみ、周りの誰にも病気の苦しみをわかってもらえず寂しい思いをしている患者さんの力になれることが嬉しい」と業務に対するやりがいを語っています。また、「医師とともに働ける環境は、毎日新しいことを学ぶ機会を与えてくれている」とも述べています。 また、「患者さんが手術に来られる場合、最低でも3日間はバルセロナに滞在するので、患者さんが帰られる頃には研究所チームと患者さんの間に特別な信頼関係を築くことができる」と、新しい出会いがあるところも当研究所の業務を楽しめる一つだと言及しています。さらに、当研究所での長年の経験によって「人間としてより強く、より責任感のある人に成長できた」とも語っています。 最後に、サマンタさんから当研究所で手術を受けられた患者さんへ「何より大切な患者さんの生活の質を向上するお手伝いができたことを、大変嬉しく思っています」とメッセージを残しています。 当研究所チーム一同、今後もサマンタさんの活躍に期待しています。

2017年5月15日

キアリ奇形&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金(CSSf)からのイベント参加呼びかけ  終糸病患者さん、ご家族、患者さんサポーターによる芸術表現 あなたの才能を活かして、終糸病患者さんの力になりませんか。  キアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所およびアイザックシスコ(AI.SAC.SI.SCO Onlus:国際キアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症友の会)の協力のもと、キアリ奇形&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金(CSSf)では、終糸病患者(キアリ奇形、脊髄空洞症、脊柱側弯症など)のためのチャリティーイベントを開催します。 イベントは2017年10月7日(土)、イタリアのローマで開催され、当日はCSSf基金創設者であり理事長のミゲル・ロヨ医師も参加予定です。 視覚芸術、舞台芸術などに従事されている方で、チャリティーイベント参加ご希望の方は、簡単な紹介文を2017年6月9日までにCSSf基金のメール[email protected]までお送りください。 参加アーティストは、イベント当日展示会という形またはショーとして発表することができます。チャリティーイベント当日にローマまでお越しになれないアーティストは、作品(実物または複製、録画など)を会場までお送りいただくことができれば、展示させていただきます。また、選考に通った芸術・作品は、CSSf基金とバルセロナキアリ研究所、アイザックシスコのホームページおよびSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)での公開を予定しています。  あなたの才能を活かして、終糸病の周知と終糸病患者さんのサポートを!

2017年2月10日

2016年7月から、ポーランド語担当として新しくニナさんが研究所チームに加わりました。ポーランド語圏の患者さんと当研究所の医療チームの橋渡しとなって、オンライン医療相談から術前術後の患者さんのケアなど多岐に渡る業務をこなしています。 ニナさんはポーランド出身で、大学ではスペイン語学を専攻していました。2010年にスペインのカセレス大学に半年間留学し、スペインやスペイン文化、スペイン料理に興味を持ったそうです。そして2014年、再びスペインのカセレスに戻り1年半過ごした後、現在住んでいるバルセロナへと移りました。 ニナさんのスペイン留学中に培った言語力や経験が、言語も文化も全く違うポーランド語圏患者さんと当研究所の医療チームの円滑なコミュニケーションを可能にしています。いつも笑顔で患者さんのケアを行っているニナさんですが、大変親しみやすく当研究所チームにもすぐに馴染んでいました。 プライベートの時間は読書や映画鑑賞、散歩をしたり、長い休みには旅行を楽しんでいて、将来の夢はジャーマンシェパードを飼うことだそうです。ニナさんはスペインとポーランドの大きな違いとして、スペインでは挨拶として両頬にキスをするけれど、ポーランドではごく親しい相手としかしないのだそうです。 新しく当研究所のメンバーとしてニナさんが加わることによって、ポーランド語圏患者さんが安心して治療が受けられるよう、当研究所チーム一同今後のニナさんの活躍に期待しています。

2016年9月2日

2年半に渡ってポルトガル語圏(ブラジル、ポルトガル)、ポーランド人患者さんを担当していたカシア・ゴルカさんが、この度ブラジルへ移住することになり当研究所を退職いたしました。カシアさんの新天地でのご成功を研究所チーム一同心よりお祈りしています。 カシアさんの後任として、7月からマルタ・オルシニ(Marta Orsini)さんがポルトガル語担当として加わりました。マルタさんはブラジル生まれで、バルセロナ自治大学にてコミュニケーション科学を専攻、メディア・コミュニケーション・文化専攻で博士号を取得しました。ジャーナリストであり、研究者、翻訳者でもあります。 マルタさんの豊富な知識は、医療チームと患者さんの橋渡しとなっての術前術後の円滑な患者さん対応、当研究所の治療計画である終糸システム®に関心のある患者さんや医療従事者への情報提供など、当研究所の多岐に渡る業務を可能にしています。また、マルタさんは当研究所での業務のほか、学術活動と母親業(1児の母)もこなしています。 マルタさんの趣味は読書、執筆、映画鑑賞、森散策や料理などで、コミュニケーション科学やジェンダー研究、イノベーション教育、瞑想などにも深い関心を持っています。 新しく当研究所メンバーとしてマルタさんが加わることによって、より多くのポルトガル語圏の患者さんに当研究所の治療法を知ってもらい、病気の苦しみから救えるよう、研究所チーム一同マルタさんの活躍に期待しています。

2016年1月29日

 毎年、世界各国からバルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所の治療を受けに患者さんがいらしていますが、当研究所は創立当初から、多言語で医療チームと患者さん間のコミュニケーションをサポートできるよう、国際チームを育成してきました。 近年、医療人類学はこの50年の間に国際レベルで発達してきた分野ですが、医療人類学とは、人間の身体、健康や病気、治療方法などが、それぞれの生きる環境や文化によって多様であることを明らかにする研究分野で、文化・社会人類学の下位分野にあたります。当研究所では、多様な文化背景を持つ患者さんと医師間を仲介する専門家の重要性を十分に理解し、臨床現場での医療人類学の実践に努めてきました。 社会医療における文化仲介者の重要な役割は、医療従事者と患者さん間のコミュニケーションを円滑にし、患者—医師間の信頼関係を築くサポートをすることです。(I) 文化仲介者は外国語が話せるというだけではなく、他国の文化を理解する様々なすべを兼ね備え、患者—医師間のコミュニケーションをサポートします。「翻訳」は書面での仕事が主で、「通訳」は主に口頭での仕事を請け負う業務と定義されますが、どちらにせよ、言語解釈には辞書に載っているその言葉自体の意味よりも、もっと深い文化的要素を理解することが求められます。(II) 文化仲介者の仕事は、患者—医師間のコミュニケーションを仲介する第三者的立場であるため、倫理的要素を含む大変繊細な業務です。(II) 当研究所では、手術前の診察から手術後の検診までの過程で、患者さんと医師それぞれの要求を満たせるよう、現在11名の通訳・翻訳者がおり、14言語で文化仲介にあたっております。治療を受けられた患者さんの国籍は様々で、これまでに5大陸、計45か国から治療を受けにいらっしゃっています。 当研究所のこれまでの研究の成果はもちろん、文化的弊害が生じる中で、文化仲介者が患者さんと医師間の架け橋となることで、患者さんの期待に応えられるよう取り組んだ成果が、現在の優れた手術成績につながっていると言っても過言ではありません。当研究所の文化仲介者は、様々な解釈や信仰、習慣がある中で、患者−医師間の治療同盟を築くサポートをし、患者さんが安心して治療を受けられるよう日々取り組んでおります。   参考文献 (I)“La mediación en el ámbito de la salud/ The mediation in health.” Immaculada Armadans, Assumpta Aneas, Miguel Angel Soria y Lluís Bosch. Medicina Clinica, 2009. (II)“La mediación intercultural sociosanitaria: implicaciones y retos.” Adil Qureshi Burckhardt, Hilda–Wara Revollo, Francisco Collazos,Cristina Visiers Würth, Jannat El Harrak. NORTE DE…  

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2015年6月30日

2015年6月27日(土)、キアリ奇形&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金(Cssf)主催、ポーランド脳神経外科医会部のご協力のもと、ポーランドのルブリンにて第9回医師・患者集会が盛大に開催されました。 当集会は、ヨーロッパ医学生涯教育認定評議会から医療従事者のための医学生涯教育にふさわしいイベントとして認定され、当日はポーランドの権威ある脳神経外科医のクシシュトフ・トゥロフスキ(Krzysztof Turowski)教授のご参加を賜りました。 当集会で、ロヨ医師はアーノルド・キアリI型症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症といった終糸病の最新の診断法、治療法の研究について発表を行い、ジョイア・ルエ臨床心理学者は、終糸システムによる終糸切断手術の術前術後の患者さんの生活の質について発表を行いました。また、集会の最後は実習医のパヴェウ・シミギン(Paweł Szmygin)氏による臨床例を交えた討論会が行われました。 当集会開催に際して、ご協力いただいたポーランド脳神経外科医会部、およびクシシュトフ・トゥロフスキ教授の温かい歓迎に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。また、当集会の企画運営担当のバルバラ・ヴルブレフスカさんにも、心より感謝いたします。当集会が、今後多くのポーランド人終糸病患者さんを救えるきっかけになれば、当研究所チーム一同願っております。 ポーランドのルブリンの様子   第9回患者集会の会場となったホテル   受付の様子   (左から)マラ・エスピノさん、カタルジナ・ゴルカさん、ジョイア・ルエさん   (左から)当集会の企画運営担当のバルバラ・ヴルブレフスカさん、ロヨ医師   クシシュトフ・トゥロフスキ教授の挨拶     ロヨ医師の発表の様子   Presentation by Mrs Gioia Luè, clinical psycholgist.   パヴェウ・シミギン実習医による討論会の様子   質疑応答   Css基金からクシシュトフ・トゥロフスキ教授に感謝状の贈呈  

2015年3月26日

2015年3月13日(金)、バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所にて、国際標準化機構(ISO)が定める品質マネジメントシステムについての国際規格「ISO 9001:2008」認証の授与式が行われ、審査機関であるアエノール(AENOR)社社長のエバ・スビラ-ヒメネス氏から認証状が贈られました。 ISO9001認証取得によって、当研究所の以下の業務に対して患者さんは一貫した高品質なサービスを確実に得られることを意味しております。 終糸病の研究、診断、治療 脳神経外科疾患の診断・治療 エバ・スビラ-ヒメネス氏は「私どもはバルセロナキアリ研究所チームのISO9001認証取得に対する熱い思いと取り組みを感じました。研究所スタッフのみなさんの日々の取り組みがあったからこそ、ISO9001認証を取得できたと言っても過言ではありません。弊社から発行された認証は、バルセロナキアリ研究所業務の質、そしてそれが確かなものであることを保証するものです」と語り、当研究所のロヨ医師は「科学の世界において、認可取得のプロセスは大変複雑です。科学者は自由な研究を制限する恐れのある形式主義から幾度となく逃れる傾向にありますが、私どもはこの1年間アエノール社の定める厳密な規格に従うことで、このように当研究所の提供する治療の質を証明することができました」と述べました。

2014年12月1日

キアリ奇形&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金秘書のスピーチ内容 本日は、『終糸システム(Filum System®) ショートガイド』の出版発表会にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。本日ご来席くださった方の中には、スペインの大学教授、脳神経外科医をはじめ多くの医療従事者の方がいらっしゃいます。改めて御礼申し上げます。簡単ではございますが、私から本書に関していくつか述べさせていただきます。 今私が手にしているこの『終糸システム(Filum System®) ショートガイド』は、アーノルド・キアリI型症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症に関連する病気の研究を短くまとめたものです。本書には、筆者のこれまでの研究と科学への情熱が113ページに渡ってぎっしりと収められています。 本書を出版するきっかけになったのは、当研究所で終糸切断手術を受けた患者さんから結成される友の会からの強い要望があったからです。このようなきっかけを与えてくださった方々に、今一度感謝の気持ちを申し上げたいと思います。 本書が必ずや脳神経外科、およびその将来を担う医師にとって有益な情報になるだろうと自負しております。 簡単ではございますが、キアリ奇形&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金秘書からのあいさつとさせていただきます。ご清聴、ありがとうございました。 ————————————————————————————————- フォトギャラリー 本書(スペイン語)をご希望の方は、下記までご連絡ください。 キアリ奇形&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金 秘書 ニナ・アルチュノバ(Nina Arutiounova) メールアドレス: [email protected] 電話番号: (34) 93 280 08 36 住所:Paseo Manuel Girona, 32 08034 Barcelona, Spain

2014年11月13日

本日ご紹介するのは、バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所の日本語担当部門、髙橋由佳さんです。 髙橋さんは千葉県に生まれ、大学では外国人に対する日本語教育を勉強、2012年に研究所チームに加わりました。2012年以降の当研究所のレセプション業務担当の中でも、優れた対応のできるスタッフといっても過言ではありません。髙橋さんは患者さんがバルセロナに着いてから、治療を受けるまでのすべてのプロセスをサポートし、最初の日本人患者さんが当研究所に来られたのは、髙橋さんの功績によるものです。 髙橋さんは現在犬を二匹飼っていて、散歩している時が幸せな瞬間なのだとか。また、みなさんは髙橋さんがユーフォニウム奏者だったのをご存じですか。髙橋さんは時々日本食が恋しくなるそうですが、バルセロナでおいしい日本食レストランを見つけるのはなかなか難しいと言っていました。 ある時、髙橋さんが教えてくれた日本語の言葉がありました。それは”空気が読めない”です。人に対する敬意、礼儀など、日本人が調和を大切にすることを表した非常に興味深い言葉だと思います。もちろん、髙橋さんは空気が”読める”人です。 そうそう、日本人が挨拶をする時に体に触れないのは本当のようです。ただ、私達研究所チームには挨拶のキスをしてくれます(スペインでは挨拶で両頬に軽くキスをします)。

2014年10月31日

バルセロナキアリ研究所はまもなくして、ロシア語の話せるスタッフの必要性に気づきました。そして2008年、オルガ・ロバノバ(Olga Lobanova)さんが研究所チームに加わり、近くて遠い国々、ロシア連邦との架け橋を築くことになりました。オルガさんのたゆまぬ努力の結果、数年後に様々な国からロシア語話者の患者さんが当研究所に訪れるようになりました。 オルガさんにはかねてから児童英語教師になるという夢があり、当時その機会に恵まれたことで、2011年、オルガさんに代わってニナ・アルチュノバ(Nina Arutiounouva)さんが研究所チームに加わりました。ニナさんはロシア語、フランス語、英語、カタルーニャ語、スペイン語が堪能で、イタリア語も習得中です。物静かでおとなしい性格から、ニナさんの本当の人となりを知るのは難しいですが、ここで彼女に秘められた二つの情熱をご紹介します。一つ目はダンス、特にタンゴへの情熱。おとなしいニナさんからは誰が想像できるでしょうか。そして二つ目は、猫への情熱です。 ニナさんがロシア語話者の患者さんの対応で気をつけていることは、患者さんがストレッチャーで手術待機室を出て手術室に向かう際、必ず足からではなく頭から出るように促すことです。ロシア語話者のみなさん、どうぞご心配なさらずに。ニナさんにすべてをお任せください。

2014年10月17日

イタリア語担当部門は、当研究所で最初に開設された外国語担当部門です。ロヨ先生の行っていた治療に、イタリア人患者さんが関心を持つようになったことをうけ、当部門が開設されました。ロヨ先生が臨床心理学者のジョイア・ルエ(Gioia Luè)さんに会ったのは、2006年、ジョイアさんがバルセロナで学業に励んでいた頃でした。 当研究所にジョイアさんが加わったことにより、イタリア人患者さんやご家族とのコミュニケーションがスムーズになり、のちにイタリア国内(ローマ、パレルモ、トリエステ、オリスターノ、バーリ)で国際会議や集会など多数開かれるようになりました。 2014年2月、新たに言語文学とマーケティング分野を専門とするエレナ・デ–ミキエリ–ビットゥリ(Elena de’Michieli Vitturi)さんがイタリア語担当部門に加わりました。 イタリア語担当部門は、イタリア語圏の患者さんのケアをはじめ、患者さんと医師間のコミュニケーションの円滑化、公式医療報告書の翻訳、さらにイタリア国内の友の会の代表者や社会団体との連携を図るなど、多くの職務をこなしています。医療分野での複雑な異文化間のやりとりを可能にし、今日までに多くのイタリア人患者さんが当研究所で手術を受けられたのは、言うまでもなくジョイアさんとエレナさんの功績によるものです。

2014年9月15日

2014年9月13日、フランスのマコンで第8回国際医師・患者集会が盛大に開催されました。 スペイン人およびイタリア人医療従事者の方々、Cœur SolidaireとApotropaïqueの友の会のみなさま、イタリアからお越し下さったAI.SAC.SI.SCO友の会会長のマリサ・トスカーノさん、患者さんとそのご家族、参加はできませんでしたが盛会を祈ってくださったみなさまに、この場をお借りして心から御礼申し上げます。 本集会では、ミゲル・ロヨ-サルバドール氏とロベルト・マンティア氏率いる科学者チームによる、アーノルド・キアリI型症候群、脊髄空洞症、脊柱側弯症をはじめとする終糸病と神経頭蓋脊柱症候群に関する最新の調査・研究、診断、治療、終糸システム®に関する発表がされ、午後の部では医療相談が行われました。 本集会が盛会のうちに無事終了することができたのも、ご支援をくださったみなさまをはじめ、フランス友の会A.M.I.S des M.O.M会長を務めるエステール・ルシアナさんの素晴らしい企画・運営の賜と、バルセロナキアリ研究所チーム一同、心より感謝申し上げます。また、私達の訪問を温かく迎えてくださったマコン市役所の方々にも、この場をお借りして御礼申し上げます。ブルゴーニュの景色とソーヌ川の美しさに、研究所チーム一同大変感動いたしました。 キアリ奇形&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金 秘書 マネル・ロヨ-サルバドール Sr. Manuel Royo Salvador Secretario de la Chiari & Scoliosis & Syringomyelia Foundation.

2014年6月10日

私は研究者としての人生の中で、自身のプロジェクトに加わり、終糸システム®のような体系が必要とする専門的および科学的進歩を行える医師の必要条件とは何であるかを幾度となく考えていました。そして、良い協力者を見つけるにはその基準を明確にすることが不可欠だという結論に至りました。 私の求める良い協力者とは、何よりもまず自分自身そして患者さんに正直であること、親しみやすく、意欲的で勤勉、革新的計画に没頭でき、型にはまらない創造力を持った人物で、日々の難題に立ち向かえること、専門的知識を持ったバイタリティー溢れる人材です。 協力機関は、当研究所と全く同じ様式で終糸システム®を適用できる機関であることが求められ、終糸システム®に関する必要な知識を備えていると教育機関から認可される必要があります。 私にとって科学的理論を共有する協力機関ができるのは大変光栄なことで、 まるで家族の一員が増えていくような嬉しさがあります。 協力機関には大きな決意、そして信用と信頼が求められます。我々一人ひとりの取り組みが積み重なることによって、終糸システム®をより一層強靭なものにできると確信しています。 医学博士 ミゲル-バウティスタ・ロヨ-サルバドール

2014年4月15日

2014年4月16日 バルセロナ プライマリヘルスケアとは、人間の基本的な権利として健康を捉え、すべての人に平等に提供できるよう、医療の展開をはかる取り組みのことをいいます。 スペインでは4月12日(土曜日)は「プライマリヘルスケアデー」と制定されております。この機会にほんの数分でも構いませんので、プライマリヘルスケアの在り方を考えてみてはいかがでしょうか。 頭痛、平衡感覚喪失、めまい、眼振、感覚喪失、筋萎縮、夜尿症、痙攣などの症状は、最初の診察でよく患者さんが訴えるもので、多くの場合、その原因がわかるまでに時間がかかり、適切な専門家の診察が受けられないという障害が生まれます。 短期間で正確な診断名を患者さんに提供することが、バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所の理事長のロヨ医師の望みであり、長い間取り組んで参りました。  <<…上記すべての症状に対して正確なアプローチが要求され、よってプライマリケア専門医の神経学的分野での最新の知識が求められます…>> 優れた医療システムには、優れたプライマリヘルスケアが不可欠です。ここバルセロナからプライマリヘルスケアデーを盛大に祝い、“終糸病”と名付けられた病気が世に知られ、正確な診断と適切な処置がされるよう、今後も研究所チーム一同取り組んで参ります。 バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所 広報部

2014年3月20日

学生の皆様 この度バルセロナ終糸アカデミー®の2014年-2015年の開講をお伝えできる運びとなり、アカデミースタッフ一同、大変喜ばしく思っております。 古代から人類は病気の治療に全力を尽くしてきました。病気の原因を突き止めようと砕身し、数百年後には医学に偉大な功績を残した医師も数多く存在します。 現在、脊髄牽引から生じる症状に対して、様々な観点からの治療が試みられています。私どもは今回、ここバルセロナ終糸アカデミー®で、病気の治療の新しい2つのアプローチの仕方を提供したいと思っております。 まず、“終糸システム®サニタリー”では、12のガイドラインからなる治療計画を教授します。次に“終糸システム®サージェリー”では、バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所と同じ治療計画のもとで終糸切断手術を行う医療機関を設立するために、上記の他、最新の器具を駆使し、外科およびケアに関する専門知識を教授します。 “終糸病”のコンセプトの普及こそが当アカデミースタッフの最大の目的であり、いつの日か当アカデミーの学生として皆様にお会いできる日をスタッフ一同、楽しみにしております。 当アカデミー教授スタッフは、終糸システム®の精髄を捕らえるために欠かせない思考力と幅広い知識を備えた国際色豊かな人材です。 サルバドール・パニカー(Salvador Paniker)は、長生きするとはどういうことかについてこう述べています。<<…長生きするというのは、新しい道を切り開くと同時に起源に戻ることであり、二つの世界を広げることである…(中略)…(イデオロギーの)麻酔を排除し、もはや意味のない氾濫を食い止め、困難への新しい味覚を与える…>> バルセロナ終糸アカデミー®へ信頼をお寄せくださった学生の皆様と共に、忍耐、厳格、責任を持ってこれから始まる旅に立ち向かっていきたいと思っております。 バルセロナ終糸アカデミー® 学長 ミゲル-B・ロヨ-サルバドール

2014年2月3日

バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所は、アーノルドキアリ奇形I型、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症、扁平頭蓋底、頭蓋底陥入症、歯状突起奇形、脳幹のよじれ、夜尿症等を患った患者さんへの具体的な治療法、治療計画の系統を定めた”終糸システム(Filum System®)”を設立いたしました。 過去35年間のバルセロナ自治大学医学部の解剖学・発生学の正教授との共同研究の結果、現在では特発性(原因不明)と呼ばれている病気の原因やその病気の治療法を発見しました。 20年間に渡って私どもは400ページを超える文献を発表し、科学的、医学的、および倫理学的基準を満たした結果、博士論文や神経内科、脳神経外科の異なる委員会の審査を通り承認を得ています。 現在、私達の研究や文献が正しく理解または適用されていないことが明らかになり、これは患者さんに健康被害をもたらす危険があるとして、当研究所は蓄積された知識が厳しく適用されるよう、“終糸システム(Filum System®)”を設立しました。 終糸システム(Filum System®)は、現在特発性と呼ばれる様々な病気の集まり(当研究所では“神経頭蓋脊柱症候群”と命名)や終糸によって起こる“終糸病”のための具体的な診断、原因、外科的治療や術後のリハビリテーションなどの治療計画を定めております。現在までに患者さんに終糸システム(Filum System®)を適用し、素晴らしい成果を収めております。 また、スペインならびにヨーロッパの認可のもと、終糸システム(Filum System®)を教授するための教育機関、“バルセロナ終糸アカデミー(Filum Academy Barcelona®)”を立ち上げました。現在、終糸システム(Filum System®)の教授カリキュラムの作成に当たっております。

2013年10月9日

終糸システム(Filum System®)適用の低侵襲治療の終糸切断手術が、大後頭孔減圧術とは対照的に、アーノルド・キアリI型症候群児童患者に対する優れた治療法だと証明する判決がイタリアで下されました。 キアラさんは、2007年にロヨ医師の手術を受けたダビッド君のお母様です。 キアラさんの個人ブログの冒頭では一通のお手紙が掲載されています。その手紙はキアラさんご本人が新聞社やテレビ局宛に書いたものですが、残念ながら返答はなかったそうです。手紙には、ダビッド君の病気がわかってから終糸切断手術までの経緯と、手術の効果などが綴られています。ダビッド君の症例に関しては、キアラさんの実体験のほか、法医学者によって提出された報告書で公平に描写、分析されております。 ダビッド君のご両親は、居住地区の国民健康保険を相手に訴訟を起こしました。2011年に出された最終判決で、終糸切断手術はイタリア国外で行われている手術で、イタリアの病院からバルセロナの病院へ患者を回すのは大変困難であるが、児童患者のためにリスクの少ない手術を選ぶのは保護者の権利だとして、イタリア国民健康保険に手術費用の払戻しを命じました。 ここでキアラさんのブログの一部を紹介します。また、法医鑑定報告書の翻訳文ならびに判決文原本(イタリア語)も掲載します。 ダビッド君の臨床例および司法例によって、当研究所がアーノルド・キアリI型症候群と関連する病気の治療を行う国際医療機関であることが再確認されたとともに、終糸切断手術が上記の病気に対する第一の選択として適用されることの重要性、手術によって得られる患者さんの生活の質の向上を示す明らかな証拠にもなりました。 裁判資料を公開する許可をくださったキアラさんならびにキアラさんご家族に、研究所チーム一同心から御礼申し上げます。法的に終糸切断手術の効果が認められた事実は、今後多くの患者さんにとって有益な情報になると考えております。 キアラさんのブログの内容(一部抜粋):引用リンク(2013年)https://chiarar77.myblog.it/ “…ダビッドは元気がありませんでした。じっとしている時でもよく転んでいて、話したいと思って何か口から音を発しているのに、言葉にならず話すことができませんでした。ダビッドは度々脚や関節を触っていて、苦しんでいるのが伝わってきました!発作が起こると、変な感覚があるのか、何か怖いものを見ているような、まるで幻覚を見ているようでした…” “…深刻な状況の中、神経内科の先生には脳電図の再検査でてんかん発作の原因がわかったと言われました。 “ “先生に薬を処方され、翌月(2007年2月)に脳のMRI検査を受けるように言われました…” “…MRI画像診断報告書には、ダビッドのMRI上で「髄鞘形成」と定義される白い部位が見られると書いてありましたが、それは基準値の範囲内らしく、その他に、「約7mmの小脳扁桃下垂が見られる」と書いてありましたが、脳神経外科の先生には、MRIは非常にきれいに撮れていて、ダビッドはまさに健康そのものだと言われました。てんかん発作の病巣は見られないから、おそらく時間が経てば治まるだろうと言われました…” “….次の診察日が来て、その時言われたのは2007年2月にフェラーラで撮影されたMRIで、アーノルド・キアリ症候群(7mmの小脳扁桃下垂)と呼ばれる脳の奇形が認められ、ダビッドの年齢で脳がまだ髄鞘形成の段階であることは極めて稀だとし、「脳虚血」ではないか、というのが先生の意見でした…” “… 先生にはダビッドの検査結果に異常が出たのは私のせいだと言われ、ご飯を食べないのも、言葉を発しないのも私がその機会を与えなかったからと、私が常に先走り過ぎていて、子供に対して独占欲が強すぎるとも言われました …” “…そしてすぐに外科手術について話し始め、まず大後頭孔減圧術について話始めました。仮にその手術の効果が見られない場合は、脳を触る手術の可能性もあると言われました…” “アーノルド・キアリI型症候群は、小脳扁桃が大後頭孔から下垂し、脳内が圧迫されて脳脊髄液(髄液)の循環を妨害し、てんかんに似たような発作が起こることがあります。” “絶望の果て、私はインターネットでキアリ奇形やその治療法について調べることにしました。その結果、スペインのバルセロナで手術を受けたばかりの男性が書いた掲示板のコメントを見つけました。その手術とは、最新の低侵襲治療で、24時間の入院だけと書いてありました。コメントと一緒に、男性の携帯電話の番号も書いてありました。” “…必要な検査をすべてダビットに受けさせた後、私は早速医療費の払い戻しに関する様々な法律の情報を集め始めました。一刻も早く手術を受けさせた方がいいと思っていたので、私の気持ちは決まっていました。” “イタリアでは、大後頭孔減圧術は患者さんの病状が危機的、つまりこれ以上手術を避けられない状態にある場合や、痛みに対する治療が十分でない場合に行われます。” “また、大後頭孔減圧術は合併症を起こす可能性があり、事実、幾度となく起こっています。しかも、手術前にあった症状は術後消えることはありません。仮に手術の効果があったとしても、それは病気の悪化を防ぐだけです。大後頭孔減圧術後に病状が悪化し、2回以上手術を行わなければならない場合や、最終的に頭蓋骨を開く手術もありえます。”  “一方、ロヨ先生がバルセロナで行う終糸切断手術は、病気の進行を止めるだけではなく、患者さんによっては症状の緩和が期待できます(年齢や体の組織の柔軟性に因ります)…” “…私は心からロヨ先生の手術を信じています。どんな母親でも私の立場になったら、きっと自分の子供の脳を触らせる前に終糸切断手術を選ぶと思います。私はバルセロナでの手術を決意し、荷物をまとめ、母と主人のトーマスの付き添いのもとバルセロナへ向かいました。” “術前検査は2007年10月1日に行われました。ロヨ先生は大変親しみやすい先生でしたが、その時はただただダビッドのことで頭がいっぱいでした。その翌日の10月2日、ダビッドの手術が行われました…ダビッドは当時まだ小さかったので全身麻酔下で手術が行われ、かかった時間は1時間くらいでした(ダビッドは当時終糸切断手術を受けた患者で、一番小さかったです)。手術が終わって、ロヨ先生から病室で待っていた私達に電話が入り、手術の様子やダビッドの終糸がとても太く、ぴんと張った状態だったと説明を受けました。また、ダビッドの終糸の写真も見せてくれて、手術は成功したから今後すべてが正常に戻るだろと言ってくれました。ダビッドの体は他の子供と同じように成長するだろうとも言われ、てんかん発作もなくなって、虚血も改善するだろうと言われました。母も私も涙を流して、思わず先生を抱きしめました。それから病室に戻ってみると、ダビッドがすでに目を覚まして看護師さんと一緒に待っていました。いつもだったら全身麻酔後に青白くなる息子の顔が、今まで見たことがないほどきれいな赤ピンク色をしていて、先生には血行がよくなった証拠だと言われました。決してあの瞬間を忘れることはありません。他にもびっくりしたことは、息子がまるで初めて手の感触を味わうかのように手をじっと見たり触ったりしていたのです(この奇病によって麻痺や痺れが引き起こされていたのは明らかでした)。息子のそんな姿を見て、息子がまるで生まれ変わったかのようでした! その日の午後、麻酔から完全に覚めたダビッドは、起き上がって車のおもちゃで遊ぼうとしました。その日を境にダビッドは一度も転ばなくなりました。まさかと思いましたし、今でもそう思っていますが、本当にもう二度と平衡感覚に異常をきたすことはありません。手術の翌朝の退院許可が下りる前の診察で、他の神経症状にも改善点が見られたと聞いて、家族みんなで喜びました!ロヨ先生の功績を称え、銅像を作りたいとさえ思いました!バルセロナでは、ロヨ先生の職業に対する意識の高さと人間性、患者への深い理解を感じ、イタリアでは考えられない夢のような待遇を受けたことを、声を大にしてお伝えしたいと思います。また、てんかん発作の薬に関しては、主治医の神経内科の先生の指示に従って2007年末まで薬の量を減らすのを待とうということになりました。発作は病巣が原因ではなく、ダビッドの脳が受けていた圧迫が原因だったので、薬では治療できるものではありませんでした。てんかん発作が起こっても、すぐに治まりました。 “  “ダビッドはまだ小さいし、術後すぐの2時間のフライトで体に影響が出るのではと思い、バルセロナには退院後2日ほど滞在しました。何か起こった時のことを考えて、私達家族は病院から2分のところにあるホテルに泊まりました。手術から数日後、ダビッドが痛みを訴えたり関節を触ったり、走って転んだりすることがなくなりました!日に日に良くなっていく息子の姿を見て、私達の選択は間違ってなかったと確信することができました。” “フェラーラの神経内科の先生は、てんかん発作がなくなっても2年間は薬を飲み続けなければならないと言っていましたが、2月の検査でダビッドの肝臓に影響が出ていることがわかり、薬の量を徐々に減らしていくことになり、後にダビッドは完全に薬を飲むのをやめました。” “ダビッドは2008年2月1日以降薬を飲む必要がなくなり、2008年5月1日からは完全に薬を飲んでいません。てんかん発作は1年前からありません(最後にあったのは2007年8月1日です)。現在、言語矯正の専門家のクラスに通っていて、いくらか言葉を発するようになってきました。もう転ぶことも、体の痛みや頭痛を訴えることもありません。理学療法の先生にも診てもらいましたが、体の全機能が正常に発達していて、体力もあって元気だから、理学療法は必要ないと言ってもらえました….” “…ある日、家の中庭でダビッドが近所に住む双子の友達と遊んでいた時のことです。ダビッドは2時間ずっと休まずに走り回っていましたが、一度も転ぶことはありませんでした。そんな息子の姿を見て、終糸切断手術を受けさせて本当によかったと思いました” ———————————— 書類原本: https://institutchiaribcn.com/commons/pdf/comunicados/consulenzamedicolegale.pdf イタリアフェラーラ裁判所 行政審判914/9, Trib.Lav. Ex. r.g. 2656/09 Trib. Ord. 法医鑑定報告書 “…今回調査された事例は、複数の神経学的症状を伴う複雑な症例であり、神経学的データに対する解釈の遅れがあったため(最初のMRI画像からすでに奇形は明らかであった)、おそらく他覚所見で困難があったと思われる。後にフェラーラの専門家によって行われた神経放射線学的検査から最終的な診断が下り、(大後頭孔減圧術による)奇形に対する緊急治療の提案があった。” “…大後頭孔における進行性の小脳扁桃下垂を治すために提案された手術は、大後頭孔のみに集中され、大後頭孔の減圧(後頭下骨切除、場合によって環椎後弓切除)や、小脳延髄槽を拡大するための硬膜切開と形成術(生体親和性に優れた組織を用いる)が行われる。ある症例においては、小脳のスペースを広げるため、小脳扁桃凝固術を行う必要性もある” “明らかに複雑な手術であるものの、専門機関で日常的に行われている手術で、患者の住む地域でも行われている手術である。” “しかしながら、ダビッド少年の場合、以下の重要な要素があることを強調しなければならない。” “まず、患者親族に神経性の痛みを患っている親族がいること、またそれは急速な悪化を伴う複雑な症状であること…一方で、大後頭孔減圧術の必要性を提案する医師もいるが、これは脳損傷の可能性のある手術である。” “要約すると、2007年8月の検査結果から、前頭の傍矢状深部白質の異常と側脳室後部(三角部と後角)の拡張を示す低酸素性虚血性脳症が確認された。” “また、後頭蓋窩の検査からは5mm以内のわずかな小脳扁桃下垂(アーノルド・キアリI型症候群)が見つかった(脊髄空洞は見られない)。脊髄円錐は通常の第1腰椎-第2腰椎の間に位置していた。” “深刻な状況を前に、ダビッド少年の両親が大後頭孔減圧術を受けさせるかどうか決めるために時間を求めたのは当然のことである。大後頭孔減圧術に代わる重大な手術の発見は、数年前からアメリカやヨーロッパの専門家グループの経験に基づくもので、それは児童患者におけるアーノルド・キアリI型症候群は下からの脊髄牽引が関連していて、終糸を切断する簡単な手術で、予想される(または可視の)牽引を取り除くことができるというものである。” “この技術はイタリアで知られていないわけではなく、実際小児科では大後頭孔減圧術に加えて手術の効果を向上するために終糸切断手術を行う医療機関も存在する…しかし、その終糸切断手術は腰仙部の切り目を入れ硬膜嚢を開いて行われる。” “バルセロナで行われている優れた手術は終糸を切断する技術で、局所麻酔の極めて簡単な仙骨部の切開の低侵襲治療でありながら、同様の効果を得られるものである。”…  

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