Published by ICSEB at 2025年3月12日
「世界脳週間」は1996年に始まり、脳科学の重要性を広く社会に呼びかける世界的規模のキャンペーンです。アメリカを中心とする脳神経科医らが結成したDana脳科学推進同盟によって運営され、ヨーロッパでもDanaヨーロッパ同盟を結成し、脳週間が実施されています。
世界脳週間は脳研究に対する一般の認識を高めるという共通の関心に応え、脳に関する科学的研究の進歩と恩恵を広めることを目的にしています。脳ケアを促進し、神経科学の重要性を強調、当研究所でもこの臓器への関心を呼びかけています。
脳は大きく大変複雑な臓器で、神経系の活動と全身体の器官を制御しています。「脳」は、大脳、脳幹、小脳に分けられ、一般的にいわれている「脳」という部分は多くの場合、大脳を指し、脳の大部分を占めています(図1)。
図1 ヒトの脳:大脳、小脳、脳幹。
当研究所の脳神経外科診療と研究は、終糸病、神経頭蓋脊柱症候群およびそれらの関連疾患に特化しており、これは主に終糸と呼ばれる繊維が中枢神経系全体を下に引っ張ることで引き起こされています。このような理由から、上記疾患のほとんどは脊柱(例:特発性脊柱側弯症)、脊髄(特発性脊髄空洞症)、小脳(小脳扁桃下垂=キアリ奇形)、頭部(後頭部の奇形)に影響を及ぼしますが、終糸病は大脳にも関係しています。
実際、当研究所の医療チームは、他の医師には知られていない、神経頭蓋脊柱症候群による終糸の過緊張によって引き起こされる牽引の結果として認識される脳レベルにおける変化である徴候と症状を観察していています。例えば、終糸病に関連する大脳の白質病変や虚血性変化、多くのアーノルド・キアリI型症候群患者において観察される大脳と小脳の間に形成される上小脳スペースの拡大(図2)、終糸病による視覚および聴覚障害、終糸病の典型的な症状である言語、記憶、注意力、睡眠などの神経心理学的変化です。
図 2 小脳扁桃下垂(黄色)を伴う終糸病における上小脳スペース(緑と赤)は、スペース不足ではなく牽引によるものであることを示しています。
2025年3月10日から14日までの「世界脳週間」の目的に従って、当研究所では終糸病によって引き起こされるあまり知られていない脳損傷について、医師および患者の間での認識を高める取り組みと、神経科学の分野での研究を継続していきます。知識を広げ、当研究所の治療法をさらに改良し、患者さんの生活の質の向上にも取り組んでいきたいと考えています。
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