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ロヨ医師への研究所創立10周年記念インタビュー

Published by at 2018年7月23日


Barcelona, 2018年6月

 

2018年6月12日に創立10周年を迎えたバルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所の創立者である研究所所長のロヨ医師は、インタビューの中でこの10年を振り返り、当研究所が現在の終糸病の診断・治療の国際機関に至ったまでの経緯について語りました。

ロヨ先生、おはようございます。

おはようございます。

バルセロナキアリ研究所の創立10周年を記念して、いつくか質問をさせていただきます。

はい、どうぞ。

研究所10周年を記念して「卓越した10年」という標語を選びましたが、この言葉で伝えたいことは何でしょうか。

当研究所の研究からわかった新しい医学概念を用いて、研究所設立時から行ってきた業務の成果を言葉で表したいと思いました。新しい病気の概念をもとに、最新の治療を患者さんに提供し、優れた成果を収めることができたので、この記念すべき年を「卓越した10年」として祝うことにしました。

バルセロナキアリ研究所の業務の中で最も注目すべきものは何ですか。

先ほど述べたように、私達は新しい病気を発見しました。これは当研究所の功績で最も重要なことです。終糸病という新しい病気は、よく知られている病気も含んでいますが、現代医学では病気の原因についてはわかっていないものです。よって、この新しい病気の発見は、その原因不明の病気を明らかにし、病気に対する深い理解を提供し、病気をより的確に治療できるようになったのです。

ロヨ先生、終糸病はどんな病気でどのような症状が表れますか。

終糸病は人間の中枢神経系全体と、それを包む頭蓋および脊柱が関与する病気です。終糸病は第9週の胎児から見られ、すなわち、すべての胎児が同様の過程を辿ることになります。ホルモンの指令によって、神経系はその外皮である脊柱よりも成長の度合いが小さくなり、この不調和の成長で、繊維によって結合されている神経系と脊柱に力学的衝突が生まれ、一連の病気が引き起こされます。

終糸病と診断された患者さんが考慮すべきことは何ですか。

そもそも「終糸病」自体の診断は、基本的にその病気を発見し、命名した当研究所から診断されます。アーノルド・キアリI型症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症、扁平頭蓋底、歯突起後屈、頭蓋底陥入症、脳幹のよじれ、線維筋痛症、慢性疲労症候群などの病気も終糸病にあたり、「終糸病」と診断されます。

バルセロナキアリ研究所は、世界で唯一の治療法を提供しているということですか。

はい、そうです。当研究所が新しい病気について研究をし、1992年に博士論文という形でバルセロナ自治大学に提出され、承認されました。よって、病気に関するデータはすべて私達が保有していますが、論文、出版物はすべて公開されており、自由に入手することができます。また、当研究所はこのテーマについて500ページ以上に渡って発表し、学術審査員によって承認されています。すなわち、私達が論文を発表していないなどと言う専門家がいますが、それは事実と異なっていることになります。

バルセロナキアリ研究所では診療のほか、研究も行っているのでしょうか。

はい、そうです。当研究所の主な業務は診療ですが、それと並行して研究も日々行っています。

バルセロナキアリ研究所が研究して得られた情報を、他の医療従事者と共有していますか。

当研究所の目的は共有することです。そのため、当研究所が創設されたのと同時にキアリ&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金が設立されました。基金の目的は3つあります。1つ目は病気の研究、2つ目は教育で、当研究所の創設以来いくつかのヨーロッパ諸国で会議を開き、新しい病気の発見について説明をし、患者さんの健康のために従事してきました。そして3つ目は社会支援です。

最後にロヨ先生、患者さんへのメッセージをお願いします。

当研究所で手術を受けられた患者さんには、深い尊敬の念を抱いています。当研究所が行っている研究、治療は、従来の医学ではまだ原因不明の病気として扱われているため、新しい治療法への理解を示すのはそれほど容易なことではありません。そんな中でも患者さんは、ソーシャルネットワークや当研究所の出版物などを通して、新しい病気について理解を示してくださいました。また、患者さんの多くは、主治医の病気への理解が得られず、神経病や精神病、線維筋痛症、仮病扱いされ辛い思いをされたかもしれません。そういった状況に立ち向かう根気強さにも頭が下がります。苦境を乗り越え、当研究所を見つけてくださったおかげで、私達は患者さんの根本的な病気の原因を取り除くお手伝いができました。

先生、本日はお忙しい中ありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。


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