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バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所

神経頭蓋脊柱症候群と尾骨脱臼の予備的研究

当研究所のロヨ・サルバドール所長を中心とする医療チームが執筆した、神経頭蓋脊柱症候群と尾骨前方脱臼の関連性に関する最新論文「尾骨脱臼に関連する神経頭蓋脊柱症候群:予備的研究」が、脳神経外科雑誌『World Neurosurgery:X』に掲載されました。 

「神経頭蓋脊柱症候群は、いくつかの特発性疾患(アーノルド・キアリ症候群0,1型および1,5型、脊柱側弯症、脊髄空洞症)を含みますが、これは終糸と呼ばれる線維組織によって神経軸に異常な牽引が生じることで引き起こされる」とし、終糸が尾骨レベルに達する組織であることを考慮した上で、神経頭蓋脊柱症候群という診断を受けた多くの症例で「尾骨の前方脱臼といった解剖学的変異によって、終糸が引き起こした中枢神経系全体にかかる牽引をさらに悪化させる可能性」を、ロヨ医師率いる神経外科医チームは長年観察してきました。

 

論文では、「神経頭蓋脊柱症候群患者における尾骨脱臼の有病率の高さが、それらの間に関連性があることを示唆している」と結論づけ、「尾骨前方脱臼を引き起こすメカニズムは、神経頭蓋脊柱症候群の発症に直接影響を与える可能性がある」と述べています。

通常、尾骨脱臼の場合、ほとんどの外傷および整形外科で提示される治療は、保存療法(尾骨に体重をかけない、座ることを避けるまたは減らす、座る際の負荷を軽減するクッションや器具の使用などの推奨)ですが、残念ながら神経頭蓋脊柱症候群である可能性が考慮されないために神経頭蓋脊柱症候群の診断は下りず、患者さんの満足いく解決策は提示されずに、患者さんの生活の質に悪影響を与える可能性が出てきます。

当研究所では、これらの症例の長年の臨床観察と治療経験を経て、尾骨脱臼によって生じた終糸の牽引を取り除くため、低侵襲治療を含む当研究所独自の治療計画「終糸システム®」の適用を提案しており、優れた治療効果が得られています。

論文執筆者であるロヨ医師、フィアヨス医師、ビヤビセンシオ医師、そして当研究所の研究開発(R&D)部門チーム、『World Neurosurgery:X』への論文掲載おめでとうございます。

仙尾骨脱臼を伴う神経頭蓋脊柱症候群の治療に関する詳しい情報は、こちらをご覧ください。