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バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所

2022年9月28日:アーノルド・キアリ症候群の国際デー

アーノルド・キアリ症候群の治療に特化した専門機関である当研究所では、今年もアーノルド・キアリ症候群の国際デーを皆様とともに祝いたいと考えています。 アーノルド・キアリI型症候群がどういう病気かわからない方のためにここで説明を加えると、一般的に小脳扁桃が大後頭孔を通って下垂することを意味し、脊髄に奇形は見られません。当研究所所長のロヨ・サルバドール医師の約50年に及ぶ研究によると、小脳扁桃下垂(アーノルド・キアリI型症候群)は、脊髄末端にある終糸が通常よりも緊張状態にあり、神経系全体を引っ張っていることで生じる終糸病が原因であることがわかっています。 アーノルド・キアリI型症候群の症状は主に、頭痛、頸痛、手足の麻痺、視覚障害、手足の疼痛、感覚異常、めまい、 嚥下障害、腰痛、記憶障害、歩行障害、胸痛、平衡感覚障害、痛覚異常、言語障害、括約筋障害、不眠症、嘔吐、失神、震えなどで、時間の経過と共に悪化していく傾向があります。 アーノルド・キアリI型症候群患者の生活の質は、治療法を見つける前に著しく低下する可能性があり、これは進行性の病気という理由だけではなく、一般的に提案される外科治療が、大後頭孔減圧術という大変リスクの高い手術であるためです。病気の悪化によって、手術のリスクよりも病気自体のリスクが高くなるまで、経過観察になるのが一般的です。 一方、終糸システム®と呼ばれる病気の診断と治療法をまとめたロヨ医師の治療計画に従うと、終糸切断手術という低侵襲治療によって、病気の原因と病気が身体へ及ぼす影響を取り除くことができます。 当研究所で適用されるアーノルド・キアリI型症候群に対する終糸システム®の結果は良好で、病気の進行が止められるのはもちろん、術後にいくつかの症状の改善または消失、そして患者さんの生活の質にも改善が見られます。 場合によっては、術後1年またはそれ以上経ってから、患者さんの中にはMRI画像上で小脳扁桃の上昇が観察されることがありますが、重要なのは、終糸によって引き起こされる緊張状態を外科治療によって取り除くことです。 小脳扁桃下垂を伴う終糸病患者さんに捧げられた9月28日という日に、以前には存在しなかった新しい希望、「終糸切断手術」という効果的で低リスクの治療法があることをここで強調したいと思います。