免責事項
よくあるご質問(FAQ)では、患者さんから問い合わせの多かった質問、疑問点などを項目ごとに分けて掲載しております。各質問への回答は、当研究所のロヨ -サルバドール医師率いる医療チームが行っておりますが、本内容は参考程度にとどめ、手術を検討される方は、必ず決断をする前に専門家の診察を受けてください。
よくあるご質問(FAQ)で提供された情報を利用した場合、免責事項に同意したものとみなされます。また、万が一本内容に誤りがあった場合でも当研究所は一切責任を負いかねます。
バルセロナキアリ奇形&脊髄空洞症&脊柱側弯症研究所 理事長
ミゲル-バウティスタ・ロヨ-サルバドール(Dr. Miguel Bautista Royo Salvador)
1.1. 診断方法
診断名を確定するには、下記の検査画像とその画像診断報告書が必要です。
頭蓋-頸部MRI画像
胸部MRI画像
腰仙部MRI画像 仰臥位と伏臥位で撮影
全脊柱X線画像(正面と側面)
上記の検査を造影剤使用で行った後、当研究所のホームページ上から画像と画像診断報告書をお送りください。オンライン診断を行います。当研究所の医療チームによって病気が確認された場合、診断名を確定するため、当研究所での診察を提案しております。
多くのケースでアーノルド・キアリI型症候群は他の脊髄の病気と関連しています。よって、他の病気がないか詳しく調べるために、頸部以外のMRI画像(胸部と腰部)と全脊柱X線画像の撮影をお願いしております。
軽度であっても小脳扁桃下垂が確認された場合、まずMRI画像などで病気の原因が何なのか詳しく調べます。検査画像上で脊髄の牽引が確認された場合は、小脳扁桃下垂は異常な緊張状態にある終糸によって引き起こされているため、脊髄牽引症候群および小脳扁桃下垂の診断名で、早期の終糸切断手術実施を提案しております。
特別な原因が見当たらないのに、症状が出ている疾患を特発性疾患と呼んでいます。現在まで脊髄外傷や脊髄腫瘍に伴う脊髄空洞症以外を、原因不明=特発性脊髄空洞症と呼んでおり、これは脊柱側弯症にも同じことが言え、外傷性側弯症、神経線維腫症による側弯症、神経・筋性側弯症、先天性側弯症、変性側弯症以外を、特発性側弯症と呼んでいます。
この原因不明といわれてきた特発性脊髄空洞症と特発性脊柱側弯症の原因を、当研究所のロヨ-サルバドール氏が突き止めたのです。それは、「終糸の異常牽引」です。終糸の切断手術を行うことで、特発性脊髄空洞症と特発性脊柱側弯症の根本的な原因を取り除くことができます。
飛行機に乗れるかどうかは、患者さんの病状によって異なります。当研究所は脳神経外科治療を専門としておりますので、水頭症の治療も行っておりますが、水頭症の治療は他の脳神経外科で行われているものと違いはございません。また、水頭症の治療後は術後検診で通院することになりますので、バルセロナにお住まいでない患者さんに関しては、最寄りの病院での治療をお勧めします。
終糸病もしくは神経頭蓋脊柱症候群は、緊張性終糸が原因で起こる異常な脊髄牽引が引き起こす病状を定義するために、当研究所が用いている診断名です。このように緊張性終糸が原因で起こっている疾患に、アーノルド・キアリI型症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症などがあります。
多くの症例で、必ずしも解剖学的に見られる脊髄空洞症の状態と比例して症状が出るわけではないことがわかっています。脊髄空洞症の原因となる終糸病の概念に従い、異常な脊髄の牽引が確認され次第、脊髄の牽引を取り除き、空洞内の細胞の壊死を阻止するため、早期の終糸切断手術を提案しております。
特発性脊柱側弯症が40度を超える場合、弯曲は緊張性終糸だけによって起こるのではなく、重力の影響も受けています。終糸切断手術によって進行を止められるケースもありますが、終糸切断手術後も側弯が悪化することがあります(終糸切断手術、弯曲の進行速度は緩やかになります)。よって当研究所からは終糸切断手術後、患者さんに合った理学療法やリハビリテーションおよびコルセット等の提案をしております。
当研究所では特発性脊柱側弯症の研究および治療を、脳神経外科的視点から行っております。特発性脊柱側弯症において、脊椎内の脊髄はぴんと張った緊張状態にあります。終糸切断手術でその緊張状態を取り除き、弯曲を助長している(終糸によってもたらされた)圧力を緩和することができます。
終糸切断手術は特発性脊柱側弯症のどの患者さんにも有効ですが、終糸切断手術を受ける前に固定術を行うことで脊髄牽引を助長してしまう恐れがあるため、麻痺を回避するためにも固定術前に終糸切断手術を行うよう提案しております。しかし、固定術後でも終糸切断手術によって脊髄牽引を取り除くことができるので、脊椎矯正には有効です。
当研究所は脳神経外科を専門とする医療機関です。脊柱側弯症の研究と治療は、脊椎ではなく脊椎内にある脊髄の脳神経外科的な視点から行っております。全脊柱X線検査だけでは、脊椎の骨の部分しか調べることができません。MRI検査は脊椎内の脊髄の状態を詳しく見るために必要な検査ですので、患者さん全員に撮影をお願いしております。
脊髄牽引によって生じる椎間板への圧力の増加により、たとえ少しの負荷がかかっただけでも椎間板(繊維輪)に亀裂が生じやすくなります。よって、脊髄牽引によって発症する終糸病や神経頭蓋脊柱症候群において、椎間板ヘルニアは頻繁に確認されます。
1.2. 治療
終糸システム(Filum System®)に従って行われる低侵襲治療の終糸切断手術は、仙骨部で行われます。骨に触わることも、髄膜も開くこともありません。手術創は数センチほどで、縫合糸は表面に出ません。成人の場合、禁忌がなければ鎮静剤と局所麻酔で行われます。
傷口は仙部(尾てい骨の部分/背骨の一番下辺り/お尻の始まりの部分)にあります。傷口は時間が経てば、ほとんど見えなくなります。
当研究所の行う終糸切断手術の唯一のリスクや合併症は、手術した部位の血腫や化膿です。これは、術後に傷口付近に負担のかかる体勢や動きをしないこと、術後10日間は水との接触を防ぐという術後の指示に従わなかったことで起こります。また、終糸切断手術は、他の手術と同様、手術自体のリスクの他に麻酔などの外因性リスクがあります。
終糸切断手術によって、脊髄と神経系に影響を与えていた異常終糸牽引状態が取り除かれ、神経系は解放されますが、組織自体の位置は変わりません。ごくわずかの症例で、脊髄円錐や小脳扁桃が数ミリほど時間をかけて(一般的に手術から数年後)、上昇することが確認されています。
当研究所は、ロヨ・サルバドール医師のアーノルド・キアリI型症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症の新しい病気の見解に従って、終糸切断手術を行っております。その見解とは、アーノルド・キアリI型症候群、脊髄空洞症、脊柱側弯症の原因は、異常な緊張状態にある「終糸(しゅうし)」という繊維にあり、終糸が脊髄を下に引っ張ることで病気が起こっているという見解です。よって、終糸切断手術を行うことによって病気の原因=脊髄牽引を取り除くことができます。しかし一般的には、アーノルド・キアリI型症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症の治療に、当研究所とは異なる見解が採用され、治療が行われているのが現状です。
終糸切断手術は、(腰椎椎弓を切除して行われるものの)古くから存在しており、本来、脊髄係留症候群の診断で行われるものであり、アーノルド・キアリI型症候群、脊髄空洞症、脊柱側弯症の治療では行われていませんでした。よって、現在でもロヨ医師の見解を知らない多くの医師は、アーノルド・キアリI型症候群、脊髄空洞症、脊柱側弯症の治療に終糸切断手術を適用することはなく、そのため上記の病気の治療としての終糸切断手術の効果を知りません。
一般的に手術を実施するかしないかは、手術のリスクと、その手術がもたらす恩恵を考慮して決められます。
終糸システム®によって行われる終糸切断手術は、低リスク(局所麻酔と鎮静剤を併用して行われ、唯一のリスクは手術創の感染症)で、病気の進行を止められるという利点があります。よって、終糸切断手術を実施するかどうかの判断基準は、従来の外科手術とは異なってきます。終糸切断手術の実施で神経系の損傷を阻止し、病気の原因を取り除くことができるため、終糸切断手術適用とわかり次第、早急に手術を受けるよう提案しております。
終糸システム(Filum System®)に従って行われる終糸切断手術は、現在のところ当研究所でのみ行われております。同じ治療計画で終糸切断手術を行っている医師や機関はございませんので、ご注意ください。
キアリ奇形&脊柱側弯症&脊髄空洞症基金に属するバルセロナ終糸アカデミー(Filum Academy Barcelona®)では、脳神経外科医、医療チーム、脳神経外科研究所を対象に、終糸システム®サニタリー(Filum System® Sanitary)と終糸システム®サージェリー(Filum System® Surgery)の教授を行っています。現在までに、異常な緊張性終糸によって引き起こされる病気の診断、処置、術後検診が行えることを証明する終糸システム®サニタリー(Filum System® Sanitary)を修了した医師と機関が存在します。詳しくは、当研究所のホームページの”医療提携”をご覧ください。
新しい技術が現れると、知的所有権や特許権を尊重しない模倣者が必ず現れます。当研究所と同じ治療計画のもとで終糸切断手術を実施しないことで、その後の終糸切断手術自体の評価に影響を与えるだけではなく、患者さんの健康にも害を及ぼすことになります。よって、当研究所が行っている終糸切断手術を、絶対的な品質保証のもと世界に普及させるために、ロヨ-サルバドール氏によって構築された治療計画を「終糸システム(Filum System)」という形で商標登録いたしました。
終糸は人間胚の段階で機能を持っている繊維で、それ以降の機能はありません。よって幼年期、青年期、成人の段階で終糸を切っても、体に悪影響を及ぼしません。
与えません。当研究所の終糸切断手術を受けた800名の患者さんで、かなりの脊髄牽引が確認された小さいお子さんの例や、ほとんど症状のない成人患者の例など、 様々です。手術の効果に影響を与えるのは、神経系の損傷の度合いであり、患者さんの年齢ではございません。よって、終糸病(アーノルド・キアリI型症候群、特発性脊髄空洞症、特発性脊柱側弯症含む)が確認されたら、これ以上の損傷を防ぐために、早期に終糸切断手術の検討を勧めております。
はい、小児期早期でも終糸切断手術が受けられます。病気の進行を防ぐため、脊髄牽引症候群が見つかり次第、早めに終糸切断手術を受けられるよう提案しております。
当研究所の終糸切断手術を受けた800名のうち、5,71%が11歳以下の患者さんで、現在、終糸切断手術を受けた最も若い患者さんは生後11ヶ月です。子供の場合は、通常全身麻酔下で手術が行われます。
終糸切断手術時の年齢
青:11歳以下
赤:12歳から15歳
緑:16歳から65歳
紫:66歳以上
当研究所の終糸切断手術を受けた800名の患者さんのうち、6,86%が12歳〜15歳の患者さんで、通常手術は全身麻酔で行われます。
一方16歳以上の患者さんは成人扱いとなり、通常鎮静剤と局所麻酔で行われますが、最終的な判断は麻酔科医が下します。
当研究所の低侵襲治療の終糸切断手術を受けた800名の患者さんのうち、66歳以上の患者さんは全体の5%です。
当研究所では、手術の恩恵によって患者さんの生活の質を改善することができるとわかれば、年配の方でも終糸切断手術を適用します。現在、終糸切断手術を受けられた患者さんの最高年齢は86歳です。
いいえ、特に問題ありません。
終糸切断手術後、切断した終糸末端部の”再固定”、または周辺に癒着する可能性が報告されています。Stone&Rozzelle(2010)やCochrane et al.(1998)によると、従来の硬膜内終糸切断手術における癒着の可能性は1%〜55%とされています。一方、当研究所で施行されている尾骨部からの終糸切断手術の癒着発生率に関する文献は、現在まで発表されておりません。当研究所で行われた1000例以上の終糸切断手術実績で、癒着が確認されたのは1例のみで、病気の兆候と症状の再発が確認されたため患者さんは再手術を受けています。
通常、終糸病と椎間板症を併発している患者さんの場合、外科治療によって脊髄牽引を取り除くことで、症状はもちろんMRI画像上でも病気の改善が確認できます。椎間板症が重度の場合や、症状の持続または症状の悪化が見られた場合には、終糸切断手術が行われる同日または後日、椎間板ヘルニア摘出術が行われます。
腰椎椎間板ヘルニアの治療で最も使用されている術式は、部分椎弓切除による腰椎減圧術です。腰椎椎間板ヘルニアでは胸椎後方除圧術、頸椎椎間板ヘルニアは、自骨または椎体間ケージを挿入して頚椎前方除圧術が行われます。
1.3. 手術の効果
一般的に終糸切断手術後、小脳扁桃や脳幹の下垂に変化は現れません。術後すぐに期待できるのは、大後頭孔付近の神経組織への圧迫の消滅と、(中枢神経への影響がなくなるため)心肺機能不全の回避です。しかしながら、当研究所で手術を受けられた患者さんのいくつかの例で、手術から2、3年経って小脳扁桃が数ミリ上がった例や、小脳扁桃が元の位置に戻った例があります。
終糸切断手術は脊髄牽引症候群の進行を止めるための手術です。病気によってもたらされた神経系の損傷は再生不可能なものと、死には至らないものの機能していなかった再生可能なものがあります。再生可能な細胞によって起こされていた症状の場合は、術後改善される可能性がありますが、細胞死によって引き起こされた神経学的症状は、改善することはありません。そのため、脊髄の損傷を最小限に抑えるためにも、脊髄牽引が確認された時点で終糸切断手術の実施を提案しております。
アーノルド・キアリI型症候群患者で、1回または数回大後頭孔減圧術を受けている場合、他の関連した病気と、損傷した細胞が再生可能か不可能かを考慮しつつも、大後頭孔減圧術後の終糸切断手術の効果は、終糸システム(Filum System®)に従って終糸切断手術だけを受けられた患者さんと比べると、部分的なものになります。当研究所では、ロヨ医師の40年以上の研究の結果から、アーノルド・キアリI型症候群の治療として大後頭孔減圧術(低侵襲であっても)を除外しております。
ロヨ医師の研究から、脊柱側弯症の弯曲が40度未満であれば病気の進行を止められることがわかっています。
脊柱側弯症の弯曲が30度未満の患者さんの場合、終糸切断手術後自然に、またはコルセットの装着や理学療法を行うことで、側弯が改善されることがあります。
1.4. 術後
終糸切断手術後に一番気をつけなければならないのは、傷口のケアです。術後10日間は、傷口を汚したり濡らしたりすることはできません。手術から10日後、医師に傷口を確認してもらい、許可が出ればシャワーのみ可能です。湯船につかれるのは、手術から約40日経ってからです。
患者さんの傷口の痛み具合によって異なりますが、通常、退院日からお仕事や学業などの普通の生活に戻ることができます。しかし、重いものを持ち上げたり、傷口に負担のかかる体勢や動作をしたりすることはできません。
手術から約40日後に術後検診が行われ、傷口の状態や患者さんの病状によって、リハビリ、理学療法、スポーツなどの具体的な提案をしております。
術後1ヶ月半検診後の術後検診は手術から1年後で、その際に術前に行ったMRI検査とレントゲン検査の再撮影をお願いしております。
終糸切断手術後、術前にあった症状の度合いや頻度、症状の持続時間が減少または増加するなど、数ヶ月間は不安定になることがありますが、一時的なものです。患者さんの多くは通常、手術から約1年後には症状が落ち着きますが、人によっては手術直後、または1、2年以上かかる場合もございます。患者さんの自覚症状だけではなく、専門家の視点から長期的に症状を観察する必要があります。
病気がもたらしている体への影響の度合いや、損傷が再生可能か不可能か、理学療法施設に通えるかどうか、またお住まいの地域の理学療法施設の種類によって、リハビリの内容や期間が異なってきます。よって、終糸切断手術後の術後検診にて、当研究所の医療チームから患者さんに合った理学療法のご提案をしております。
当研究所は、イタリアのパレルモにあるリハビリ専門施設、イタリアマンティア医療センターと提携しており、マンティア医療センターが世界で唯一、当研究所の終糸切断手術のリハビリを専門としている施設です(マンティア-ロヨ 理学療法プロトコルに従って行われます)。
マンティア医療センターでは、患者さんが国に帰ってからもリハビリを継続できるように、患者さんそれぞれに合った数日間、数週間の集中リハビリ治療を提供しております。お住まいの地域でリハビリが受けられない場合は、マンティア医療センターでの治療をご検討ください。なお、マンティア医療センターでの治療が難しい場合は、当研究所から一般的な術後のリハビリをご提案させていただきます。
術後まもない患者さんで、すでにバルセロナを出発された方は、すぐに緊急外来、またはかかりつけの医師、外科医に診てもらってください。傷口の状態が詳しく分かり次第、当研究所の医師からも適切な傷口の対処法をご提案させていただきます。
終糸切断手術後、傷口が治癒するまで少なくとも40日間はかかります。最初の10日間は傷口を濡らさないことを徹底し、その後医師の許可が出ればシャワーのみ可能です(湯船には術後40日経ってからです)。
帰国後はすぐに仕事や学業に復帰できますが、重いものを持つ仕事や身体的負担のかかる動きは、傷口の治癒に影響するので控えてください。術後は力を入れない普通の生活を心がけてください。
術後1ヶ月半後に行われる術後検診で、患者さんに合わせて理学療法や運動、スポーツなどをご提案しています。
1.5. 長期経過
終糸切断手術後、術前にあった症状が一時的に不安定になることがありますが、早くて数週間から数ヶ月、長くても1、2年ほどで落ち着きます。
また、病気によって機能停止していた神経系は、その損傷が再生可能の場合は数年または10年から15年かけて修復し、本来の機能を取り戻すことがわかっています。
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